韓国ブームの再来により、人気を集めているのはBTSなどのK-POPや韓国ドラマだけではありません。ドラマの影響やデリバリー文化の普及などにより、“過去最大の韓国料理ブーム”が訪れているといっても過言ではないのです。

韓国料理ときいて、真っ先にスンドゥブやプデチゲのような、スープや鍋料理を思い浮かべる人も多いはず。

当記事では、韓国料理エッセイストの小澤サチエが、冬の寒い日に食べたい“韓国の鍋料理”3選をご紹介。後半では、自宅で簡単に作れる本格的韓国料理のレシピも公開します!
 

巨大な豚の背肉にかぶりつこう!見た目のパンチも満点な「カムジャタン」

 

最初にご紹介するのは、カムジャタン。ご存知の方も多いと思いますが、ジャガイモと骨つきの豚肉をピリ辛いスープで煮込んだ鍋料理です。

日本でも「カムジャタン」という名前を知っている人は多いです。しかしWEB検索するとかなりの数のレシピがヒットするものの、そのほとんどがスペアリブで代用したもので、本場のカムジャタンとは異なります。

本格的なカムジャタンは、巨大な豚の背骨肉を使用します。スペアリブと比較すると、食べる部分がかなり少ないのですが、骨のまわりについたお肉にかぶりつくようにして食べるのが醍醐味。

本場のカムジャタンを食べると、「えっ、こんなに食べるところ少ないの!?」と最初は驚くかもしれませんが、煮込むにつれて骨のまわりのお肉がほろほろになってほどけてきて、それをスープと一緒に味わうのが最高なんです。

 

エゴマの葉やエゴマの粉もたっぷり入っており、ジャガイモや背肉が柔らかくなる頃には、さらっとしていたスープがドロリと煮詰まってきます。これが美味しさのピーク。最後は少し残ったスープにご飯を加えて、炒めご飯にするのが一般的です。

〆は炒めご飯にして、スープも残さず味わう

日本でも、新大久保の『宗家』などカムジャタン専門店があり、本場さながらのカムジャタンを楽しむことができますので、ぜひ一度、本格的なカムジャタンの美味しさを体験してみてください。

 


ソーセージとラーメンと辛いスープ……。病みつきになる最強の組み合わせ!

大久保にある韓国料理店『味在(あぜ)』のプデチゲ

次に紹介するのは、「プデチゲ」。赤くて辛いスープの鍋料理で、その特徴はソーセージやスパムなどの加工肉、そしてインスタントラーメンが入っていること。

初めて食べる人は、韓国料理とソーセージやスパムの組み合わせを意外に感じるかもしれません。

その由来は、戦時中にアメリカ軍が食べていた加工肉などの食材の残りを使って、鍋が作られ始めたという説があり、漢字で書くと「部隊チゲ」となります。

インスタントラーメンが入るようになったのは戦後のようですが、韓国の辛い鍋とインスタントラーメンの相性は抜群で、韓国人に愛されるB級グルメ的な料理です。

材料も入手しやすく、日本でもたいていの韓国料理店でメニューに入れていると思いますが、お店によって材料や見た目も全く違うので、様々なお店のプデチゲを試してみるのも楽しいかも?

新大久保『ソジュハンザン029』のプデチゲ


豪快な見た目に歓声があがる!鶏まるごと一羽煮込んだ鍋

 

韓国料理というと、赤くて辛いものばかり想像するかもしれませんが、そうとは限りません。

 

最後に紹介するのが「タッカンマリ」。韓国式水炊きとも言われていますが、「タッカンマリ」の意味は、韓国語で“鶏一羽”。日本の水炊きとの一番の違いは、鶏をまるまる一匹使って煮込むところです。

参鶏湯(サムゲタン)との違いがよくわからない……という人もいますが、タッカンマリは参鶏湯のように漢方やもち米などは入れず、基本的に丸鶏をネギやジャガイモなどと煮込むだけのシンプルな料理で、タレにつけて食べます。

参鶏湯は通常一人前の土鍋で食べるのに対して、タッカンマリは大きな鍋をテーブルの中央に置いて囲んで食べるスタイルのいわゆるTHE“鍋料理”。

柔らかく煮込まれた鶏肉と、旨味たっぷりのスープが本当に美味しくて、食べるたびに感動します。

そしてこのタッカンマリ、実は自宅でも簡単に作れるんです。シンプルな調理法にも関わらず、見た目が豪快なのでホームパーティーなどで出すと、必ず歓声が上がります。食べると一気に体も温まるので、冬の寒い日のホームパーティーなどにぴったり。

次のページでは、誰でも上手に作れるレシピを紹介しますので、ぜひ自宅でタッカンマリを楽しんでみてくださいね。

 
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