【MAP解説③】「講師役など発信」することも学びにつながる


一般のサラリーマンでも、社内の勉強会や研修などで講師役を務める機会はあるもの。そのようなチャンスがあれば積極的に手を挙げることで、自分にとって有用な学びへと結びつけていくことができます。

普段やっていること、わかっているつもりのことでも、いざ人に対して体系的に説明しようとするとなかなか簡単ではありません。なぜかというと、わかっているつもりでも知識に抜けがあったり、そもそも自分の中で体系化ができていなかったりするからです。人に教えるためにはまずこの体系化をしっかりとやる必要がありますし、抜けている知識も埋める必要があります。また、意外な視点からの質問があれば、教える側にとっても気づきになりますし、講師役を数多く務めることで伝える力も養われていきます。

ネットを活用して仕事に関するテーマの発信をしていくことにも同様の意味があります。SNSや個人サイトでの発信はいつでも誰でもできますから、積極的にチャレンジしてみてください。

自分らしいセカンドキャリアの見つけ方。自己分析より先にしておくべきこととは?_img0
 


【MAP解説④】業界や仕事のリアルを知りたいなら「勉強会・SNS・交流会」


これは講師役など発信の発展形ですね。自分でテーマを掲げて人を集めて勉強会や交流会、あるいはSNS上のネットワークを作り、ときには自分で講師役も務めるという、まさに参加型、アウトプット型の学びです。

そのテーマに関心がある人、実際に仕事にしている人が集まって情報交換をすることは、業界や仕事のリアルを知るうえで非常に役立ちますし、触発されるものも多い。仕事につながる人脈も得られますから、実利、マインドセット両面でメリットがある方法です。

 

この場合、ポイントになるのは、何かを教えてもらう、人から何かを与えてもらうという受動的な姿勢で取り組むのではなく、まさに参加型の姿勢で、自分自身から発信していくこと。その意味では、MAPの下から学んでいって、発信できるだけのものを自分の中で整理、体系化するプロセスも重要です。


どうでしょうか。一口に学びといっても多様な方法があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。このMAPを参考に、現時点での自分の状況や目的に応じて、適切な学び戦略プランを検討していきましょう。

著者プロフィール
前川孝雄(まえかわ・たかお)さん

(株)FeelWorks代表取締役/青山学院大学兼任講師人材育成の専門家集団(株)FeelWorksグループ創業者であり、部下を育て組織を活かす「上司力」提唱者。兵庫県明石市生まれ。大阪府立大学、早稲田大学ビジネススクール卒業。リクルートで『ケイコとマナブ』『就職ジャーナル』『リクナビ』などの編集長を経て、2008年に「人を大切に育て活かす社会づくりへの貢献」を志に起業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、独自開発した研修「上司力研修」「上司力鍛錬ゼミ」「50代からの働き方研修」、eラーニング「パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで400 社以上を支援している。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年に(株)働きがい創造研究所設立。現在、iU情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人企業研究会研究協力委員サポーター、ウーマンエンパワー賛同企業審査員なども兼職。著書は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『本物の「上司力」』(大和出版)、『一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社)、『50歳からの逆転キャリア戦略』『50歳からの幸せな独立戦略』(ともにPHPビジネス新書)など35冊。産業能率大学などでリーダーシップ、キャリア、ダイバーシティマネジメントについての教科書も執筆。

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『50歳からの人生が変わる痛快! 「学び」戦略』
著者:前川孝雄 PHP研究所 990円(税込)

「やりたいことが見つからない」「自分は本当は何がしたいのだろうか」……将来に対して思い悩むミドルを対象に、第二の職業人生で本当にやりたい仕事を、「学び」を通じて見つける方法を指南します。さらに「学び」が本来持っている「楽しさ」を体感するコツにも言及。肩肘張ることなく仕事探しおよび自分探しができるようになるでしょう。



構成/さくま健太