40代になって人生を見つめ直し、「これからは、自分の人生を生きたい」と考え始める人は多いようです。

これまで専業主婦として生きてきたり、夫の扶養に入っている女性の中にはこんな葛藤を抱える人たちも……。

「パートをしているけれど、夫の扶養から抜けて夫と対等になりたい」
「出産を機に仕事を手放したけれど、やっぱり社会の中で自分を確立したい」
「離婚を考えているけれど、専業主婦なので離婚できない」

本連載では「女性の経済的自立」をテーマに、様々な女性の経験談をご紹介します。実際に“経済的自立”を成し遂げた人たちから、「40代で新しい一歩を踏み出すための方法」を教えてもらいました。

 

今回お話を聞いたのは、西野好砂(みさ)さん・53歳。彼女は、代官山に本店を構えるりんご飴専門店カフェ「Candy apple」を経営する女性経営者です。

“行列ができるりんご飴”としてメディアでも多く取り上げられ、関東で8店舗を展開。それだけ聞くと、ビジネスを成功させ、華やかで順風満帆な人生を過ごしてきたかのように思えますが、実は彼女、3人の子供を持つシングルマザーです。しかも40代前半までは、専業主婦でした。

離婚を経験し、3人の子供を女手一つで育てながら、かつて専業主婦だった西野さんがどのように現在の成功を手にしたのかを語ってもらいました。

 


子育てに夢中になった専業主婦時代。子どもたちを国立小学校へ次々と合格させて……


私が結婚したのは、28歳のときです。それまでは主にアパレルやファッションの仕事をしていました。

大学卒業後、大手アパレル企業に就職し、その後は独立してカラーコーディネーターやスタイリストとして働いていました。

でも結婚してすぐに一人目の子どもが生まれて。その後、立て続けに2人目、3人目……と生まれたので、仕事はやめて専業主婦にならざるを得なかった、と言えるかもしれません。

実は私もともと、子どもが大の苦手で……。そもそも結婚も出産もしなくていい! と思っていたのに、実際一人目が生まれてみたら、本当に可愛くって。だから子育てはすごく楽しかったんです。

一人目の子に「兄弟を作ってあげたい!」と思い、いざ二人目が生まれてみたら「二人とも男の子だから、女の子も欲しい!」となり……。気づけば三人の子持ちの専業主婦になっていたんです。

私は「これがやりたい!」ということがあると、とことん集中してやりたいタイプ。専業主婦生活も楽しくて、子育てに夢中になっていました。

そんな中、私が興味を抱いたのが小学校受験です。子どもがいると、自然とママ友のコミュニティーもできて、いろんな話を聞くようになりますよね。周りは小学校受験をさせている人が多く、私も興味を持って調べるようになりました。

最初は皆と同じように、小学校受験専門の塾に入れようと思ったんです。でも実際に行ってみたら「こんなことしか教えてくれないのに、こんなに高いお金を取るの!?」と驚きました。これだけお金をつぎ込んでも、もし合格しなかったら何の意味があるんだろう……と考えてしまい、結局、塾には一切入れず、家で勉強させて、3人とも国立大学の付属小学校に合格させました。