フードジャーナリストの小松宏子さんが、最新の食のトレンドを紹介します。
今年もやってきました、バレンタインシーズン。美味しくてクオリティが高いものを贈りたいのはもちろんのこと、そこに何か、今年らしさや今どきな付加価値がほしいと思うものです。そこで、私が今年選ぶのは、サステナブルなショコラ。サステナブルって?と思われるかもしれませんが、原料となるカカオ栽培の現場では、まだまだ、児童就労の問題があったり、アンフェアな取引がされていたり、農薬や遺伝子組み換えなどの健全でない栽培が行われていたりと、たくさん問題もかかえているのです。そんな中で、美味しいショコラとその文化を未来に繋いでいこうという気概にあるショコラティエやショコラトリーもショコラの本場にはもちろん、日本にもあるのです。また、サステナブルな食の一つの手法として、欧米ではすでに一般的、日本でも広がりつつあるヴィーガンなショコラも登場。そんな健全な食の未来を願って作られている美味ショコラ3点を選んでご紹介します。
ピエール マルコリーニ
バレンタインセレクション 8個入り ¥2970
多数の世界的なコンテストで優勝するなど、トップクラスのショコラティエとして活躍し続けてきたピエール・マルコリーニ氏が銀座にショップを出したのが2001年。以来、20年、ゆるぎのないクオリティで、高い人気を誇り続けている、ショコラ好きの中では知らぬ人のないハイブランドショコラです。
が、実は、マルコリーニさんは、サステナブルショコラティエの先駆者でもあるのです。クオリティの高いカカオを生産する農園を何より大切にし、年に何度も(コロナ禍の以前)現地を訪れてフレンドリーな付き合いを続け、他社の3~5倍の対価を払うというフェアトレードを実践。もちろん、農薬不使用、遺伝子組み換え不可は大前提です。ブリュッセルの工房の屋根にはソーラーパネルを貼り、自家発電をするほか、排水を循環する設備を整えるなど、地球に優しいショコラ作りを目指しています。また、鮮やかなカラーリングも、自然由来の着色料を使用、パッケージもプラスチックの使用量を減らすなど、エコに対する意識も徹底しています。それと同時に、最高の品質を求めて、世界中のカカオの持ち味を生かし、単体で、また、ブレンドしてと、カカオの魔術師のごとく、多彩な美味を生み出しています。
一粒一粒カカオの香りや味わいの違いを楽しめるバレンタインセレクションは、その代表的な味わいが詰められています。ベルギー王室御用達の名に恥じぬ至高の美味。けれども、ショコラマニアもそれほどショコラに詳しくない彼も、誰しもを喜ばせられるバランスのよさも魅力です。まさに、自信を持って差し上げらるサステナブルショコラです。
DATA
ピエール マルコリーニ銀座店
東京都中央区銀座5-5-8
tel. 03-5537-0015
2022年のトレンドショコラはサスティナブル
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