フードジャーナリストの小松宏子さんが、最新の食のトレンドを紹介します。
いくつになっても、桃の節句といえば、一年に一度お雛様を出して、遠い昔の少女の時代に帰るような、乙女な気持ちになるものです。お雛様を飾るのはもちろん、華やいだ気分にぴったりの愛らしいお菓子を用意して、ゆっくりとお茶の時間を楽しんでみたいものです。もちろん、仲良しの女子を招いて、つもる話に花を咲かせる女子会もよし、雛祭りの前後に会う女子への手土産に、大人可愛いスイーツを差し上げるのも気がきいています。
雛祭り気分を盛り上げる、とびきりラブリーで美味しいスイーツをご紹介しましょう。
亀屋良長「桃の松露」
小さな小さな桃の松露が、白とピンクの金平糖のような砂糖菓子の中に鎮座した、心をズキュンと射貫かれそうに可愛らしいお干菓子。1803 年、京菓子の名門と謳われた「菓子司・亀屋良安」から暖簾分けし、水のよいことで知られる京都・四条醒ヶ井(さめがい)に創業した老舗「亀屋良長」の、雛の時期の名菓です。
松露というのは、水飴を加えたあんを丸めて、糖衣がけした和菓子のこと。その同じ手法で、白あんをベースに、桃のリキュールを加えて香りづけし、薄桃色に染めたすり蜜で衣がけしています。口の中に入れると、穏やかな甘味の中にほのかに桃が香り、なんとも上品。まわりの砂糖菓子は、ポン菓子(お米を破裂させたあられ)に糖衣がけして金平糖のようにつのを立てたもの。亀屋良長ではもう30年も春のお菓子として作っていて、現在の詰め合わせの形になってからでも20年はたつロングセラーです。
お煎茶やお抹茶にはもちろん、意外にも紅茶との相性がとてもよいとか。和のアフタヌーンティーの一品に、というのもしゃれていますね。コンパクトで日持ちもするので、手土産に最適です。
DATA
亀屋良長
京都府京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
tel. 075-221-2005
大人の女性がうっとりできるひな祭りスイーツ!
▼右にスワイプしてください▼
Comment