自分が歩んできたキャリアに自信が持てない。今の仕事を続けるべきか迷っている。そんな方は、転職活動のマストアイテム「職務経歴書」と向き合うことで、悩みが軽くなるかもしれません。この連載では「職務経歴書 添削サービス」を体験した、異なるキャリアを持つ女性3人のカウンセリングの様子を取材。三者三様の「職務経歴書」完成までの過程からは、あなただけのキャリアを慈しみ、肯定していくためのヒントが見つかるはずです。
カウンセリングを務めたキャリアコンサルタントの島谷美奈子さんの言葉を中心に、今回も技術・専門職のTさんのキャリアを紐解きます。
Warisの「職務経歴書 添削サービス」とは?
会社員、フリーランス、離職中など、それぞれの立場に合わせて、女性のキャリアと最新の求人・転職市場に詳しい経験豊富なキャリアカウンセラーが職務経歴書の添削を行い、女性ならではの多様な経験や強みを言語化します。60分間のオンラインセッション付き。詳しくはこちら。
\相談者/
Tさん(30代)
金融機関でシステム開発のプロジェクトマネージャーとして勤務。入社以来、一貫してシステム開発に携わってきた。一度転職を考えた時期があったが、異動によって状況が改善したため踏みとどまった経験あり。
●応募の動機は?
「以前転職しようか悩んでいた時、職務履歴書の書き方がわからなくてすぐに動けませんでした。今すぐ転職するつもりはないのですが、今後チャンスが訪れたり、転職を考えることがあった際に、身軽に動けるようにしておきたいと思って応募しました」
職務経歴書から、過去・今・未来のキャリアが見える
多くの方は「職務経歴書」は転職するために作成するもの、と考えていらっしゃると思います。今の仕事に漠然とした不安を感じたとしても、転職の覚悟が固まるまでは作らない、という方がほとんどではないでしょうか。
ですが、職務経歴書の作成を通して自分のキャリアを棚卸ししておくと、現在の仕事の進むべき方向、そして将来のキャリアを導いてくれるための、羅針盤的な役割も担ってくれます。
Tさんの場合、現在は希望の職種に就いていらっしゃいますが、今の職場での「将来の働き方」には不安を感じていらっしゃる様子。こんなことをお話されていました。
島谷:今現在は希望のお仕事をされているようですが、今後転職を考えそうなタイミングはありそうですか?
Tさん:社内の動きを見ていると、ある程度実績を積んだ人は管理職になるパターンが多いです。もちろんお給料は上がりますが、トラブルが発生すれば夜間・休日問わず電話がかかってきて、即対応しなければなりません。どんな時でも家族を置いて家を飛び出すことになるので、上司たちを見ていると体力的にも精神的にもキツそうで……。果たして自分もやりたいか? と問われると微妙なところです。
将来的にTさんの職場環境が改善されるのがベストですが、改善されなかった場合は「夜間対応しなくていい仕事」に転職する選択肢も入ってくるかもしれません。
いざその時が来ても「私、何がやりたかったんだっけ」と迷わずに済むよう、数年先を見据えた上で、自分がこれからやりたいこと・やりたくないことを分別しておくといいですね。そのような分別作業を行う上でも、職務経歴書を作成することは有効な手段のひとつです。
\カウンセラー/
株式会社Waris
島谷 美奈子
20年以上にわたり人材ビジネス業界にて人材活用支援・キャリア支援に従事。若手からシニア層まで延べ6000名以上のカウンセリング実績を持つ。現在は、再就職セミナー・キャリア開発セミナー講師、職場環境改善推進などに従事。2021年法政大学大学院修了。専門はサステイナビリティ学。国家資格キャリアコンサルタント、プロティアン認定ファシリテーター、プロフェッショナル&パラレルキャリア支援アドバイザー。