ちょっとひと息。今日は映画の話をします。


先日、ウィル・スミス主演の映画『ドリームプラン』を観ました! ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界的テニスプレイヤ―に育て上げた父、リチャードの実話に基づいた映画で、アカデミー賞「作品賞」「主演男優賞」など6部門医ノミネートされています。米倉涼子さんもご紹介されてましたね。

米倉涼子も驚いた実話を映画化『ドリームプラン』が描くウィリアムズ姉妹の成功物語

映画『ドリームプラン』は2月23日より公開中です。3月27日(現地時間)に行われる第94回アカデミー賞授賞式でウィル・スミスが「主演男優賞」で3回目のノミネートにして初のオスカー受賞を果たすのではないかとも言われています。


テニス未経験だったリチャードが、姉妹が生まれる前から二人を世界的なテニスプレイヤーに育て上げるための「計画書=ドリームプラン」を作っていたことがすでに破天荒なのですが、それを実施する過程も一切妥協なし。有名なコーチやスポンサーを前にしても、そのポリシーを曲げない頑固っぷりで、毀誉褒貶の激しい人だったようです。

この作品の製作総指揮には、ビーナス&セリーナウィリアムズ姉妹も名を連ねており、ぶっとんだ父親ながら尊敬され愛されている様子が伺われます。
 

ウィル・スミスもリチャード本人に激似だし、ビーナスもセリーナもそっくりでビックリ…!


世界的テニスプレイヤーになるために、近所の人がドン引きするほど練習させる一方で、父・リチャードがあくまでビーナスとセリーナを「子ども」として扱い、テニス以上に信仰と教育を重視していたことが印象的でした。


家族が暮らしていたコンプトンは、LAでも非常に治安が悪い地域。あからさまな差別と暴力に怯え、命の危険すら感じるなか、父は娘たちの尊厳を守るために迷いなくこの計画を実行したのだと思います。


自分の子どもが、将来、暴力やレイプなどの危険に晒されないように。不当な差別によって追い詰められないように。人としての尊厳が守られる人生を送れるように。「ドリームプラン」は夢を実現するというよりも生きるためのプランだったと思うと、極端に見えるリチャードの行動も理解できる気がします。


「自分だけの戦いじゃない。全世界の黒人少女の未来がその肩にかかっているんだ」
「俺は取るに足らない存在だろう。でもお前たちは尊敬される存在になる」
ー映画『ドリームプラン』US版予告より

映画の公式サイトには、ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹が撮影現場を訪れたときの特別映像も。世界のスーパースターとなった姉妹が、初恋の人の名前を挙げ合うシーンがチャーミング過ぎです。


ビーナスとセリーナは、何度もグランドスラムで優勝し、白人中心だったテニス界に革命を起こします。姉妹が壊したのは人種の壁だけではありません。四大大会で最後まで賞金に男女差があったウィンブルドン大会は、ビーナスの訴えをきっかけに、2007年から賞金金額の男女格差を撤廃しました。


ご存知の方もいらっしゃると思うのですが、二人はトップテニスプレイヤーであると同時に、起業家であり投資家でもあります。


ビーナスは、経営学理学士号とファッションデザイン学準理学士号を取得していて、インテリア、ファッション、健康、美容の各分野で起業。セリーナとともNFLチームに出資したり、自身のブランドEleVen by Venus Williamsを通じて賃金格差への関心を促す啓蒙活動をスタート。


セリーナも、ファッション、ジュエリーブランドのデザイナーとして活躍していて、インスタのフォロワーは1431万人。つい先日バルマンのスーツを着ている写真がアップされてたのですが、それがもう本当に素敵で(涙)。セリーナは、ベンチャー投資会社セリーナ・ベンチャーズで女性と有色人種の創業者への投資に取り組みながら、ウィリアムズ家がコンプトンに開設したイェタンディ・プライス・リソース・センターで暴力に苦しむ住人たちの支援もしています。


父の願いどおりに、世界中から尊敬され、憧れられる存在になった二人は今、さまざまな人々が尊重される世界に貢献するべく、自身が築いた地位や財産を使っているんですね。カッコいいです⋯⋯ !。週末に映画でも観ようかな〜と思っていらっしゃる方がいたらぜひ、おすすめです。
 



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