ちなみに篠原さん自身がハイになる瞬間はと言うと……?

 

「寝てないときはハイになります。最初は眠くて眠くて仕方ないんですけど、眠気のピークを過ぎると気持ちが切れちゃうのか、逆にずっと訳のわからないことを喋ったり、なんでもないところで笑いが止まらないくらいツボに入ってしまったりしますね」

売れっ子芸能人にとって睡眠不足は宿命のようなもの。篠原さん自身も20代の頃は寝られないほどハードな毎日が続きました。

「いちばん寝てないときで、1日の睡眠が13分という日がありました(笑)。家に帰って、シャワーを浴びて、さあ寝ようと思ったら、マネージャーからの電話で起こされるという。でも時計を見たら、13分しか経ってなくて……。20代前半のときはそんな日がよくありましたね。だから、移動中の車の中は寝るので必死。おかげでどこでも寝られるようになりました(笑)」

 


20代前半の頃は、自分が演技をやっていいのか不安だった
 

篠原さんの20代前半といえば、『恋しさと せつなさと 心強さと』がダブルミリオンを記録し、音楽番組にバラエティに引っ張りだこ。そんな中で少しずつ女優としてドラマにも出演しはじめました。ですが、当時はまだ「お芝居は自分にはできない」と思っていたのだそう。

「だから現場に呼ばれても、私なんかが出ていいんですか、と恐縮するような気持ちでした。自信がないのに演技をやっていていいのかなって、捨てきれない不安がずっとつきまとっていましたね」

そんな篠原さんの転機となったのが、ドラマ『ナニワ金融道』。中居正広さん主演の人気シリーズで、篠原さんは第2作のゲストヒロインとして登場しました。演じたのは、恋人の借金を返済するために風俗嬢となる女性。この作品で、篠原さんは初めて「お芝居って楽しそうだなと思えた」と言います。

「ずっと私でいいのかなと思いながらお芝居をやっていたんですけど、あのとき、初めて、そういう不安とかためらいを捨てて思い切り演じることができたんです。自分に自信があるとかないというのは周りの人には関係のないこと。任せてもらった以上、思い切りやらないと失礼だし、余計に恥をかくことになる。そう腹を括って不安を吹っ切ったら、監督さんやプロデューサーさんもすごく褒めてくださって。そこから演じることが楽しいと思えるようになりました」

その後、『ギフト』『きらきらひかる』『危険な関係』『カバチタレ!』などバイプレイヤーとしてキラリと光る存在感を発揮し、『光とともに…〜自閉症児を抱えて〜』で連続ドラマ初主演。以降、多くの女性が憧れつつも、どこか親しみを持てるヒロインとして時代の先頭を走ってきました。

「『ナニワ金融道』の頃から今もずっと変わらないことが、いただいた役を大切にしようという気持ち。演じる以上、私がその役のことをいちばん大切に思ってあげたい。『ナニワ金融道』のときも実際にこういう女性がいるのであればと考えたら、自然と感情が湧いてきた。その役になりきるためにも、とにかくいっぱい役のことを考えて、愛情を注ぎたいと思っています」