一家全員コロナ罹患手記「子持ちがコロナになった話」が反響を呼んだ3児の母・餡蜜桃子さんは現在育休中。今春から新卒入社した広告代理店に復職、今一度自らのキャリアを見つめ直している餡蜜さんが、大企業の副業解禁やコロナ禍でのテレワーク浸透の影響で近頃注目の「副業マッチングサービス」を体当たりでレポートします。

前回、地方企業と副業人材のマッチングサービスを提供する「Skill Shift」を運営する株式会社みらいワークスSkill Shift事業責任者の岩本大輔さんと、広報の石井まゆみさんを取材し、地方副業の最新事情をリサーチした餡蜜さん。今回は、実際にSkill Shiftを利用して副業人材を確保した地方事業主にお話しを伺い、地方副業についてさらに深掘りしていきます。
 

1週間も経たないないうちに30名以上から応募が!


今回は都市部のプロ人材と地方企業のマッチングサービス事業「Skill Shift」を通して実際に採用活動をした事業主さんにお話を伺うことが出来ました。取材させていただいたのは和歌山県紀南地方に位置する上富田町(かみとんだちょう)で町の木である「やまもも」を通じて、商品開発や観光案内所の運営などの町づくりに参画されている口熊野(くちくまの)かみとんだ山桃会(Kumano Berry)の代表、樫木美喜恵さんです。

ルビーのように美しいやまももの実(写真提供:樫木美喜恵さん)

桃には常にアンテナを張っている餡蜜桃子も「やまもも」は初めて知りました。“幻の果実”や“赤い宝石”と呼ばれ、中国や日本の温かい地方では古来より自生していたそうです。ホームページを拝見すると、本当にルビーのような美しい果実の写真が沢山出てきました。

 

樫木さんは2015年にこの事業を立ち上げられたのですが、当時ご自身は40代前半、ふたりのお子さんは5歳と8歳だったそうです。日々の子育ての中で、子ども達の未来のために何かしたい、地域を起こし誰もが自分らしく暮らせる町づくりをしていくことが子ども達の明るい未来につながっていくのではないか……その想いがすべてのはじまりだったのだそう。

口熊野かみとんだ山桃会(Kumano Berry)で生産販売中のやまももシロップ(写真提供:樫木美喜恵さん)

ひとりのお母さんの想いに共感したママ友がひとりふたりと集まり、現在は6名で運営されています。ママ友ネットワークを駆使して、それぞれが自分の出来ることを模索しながら手探り進めてきた事業。それがある程度拡大してきた2021年、知人の紹介で「Skill Shift」を通して”今後の事業の展開と町の活性化に繋げていく方法”を一緒に考え、バックアップしてくれる人材を募集しました。

「応募してくれる人がいるのかなぁとはじめは不安でした」と樫木さん。しかし1週間も経たないないうちに30名以上の方から応募があったのだそう。本業では観光業やコンサル、Webマーケティングに携わるなど、想像以上にハイスペックな方が多くて逆に委縮してしまったそうです。

 
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