一家全員コロナ罹患手記「子持ちがコロナになった話」が反響を呼んだ3児の母・餡蜜桃子さんは現在育休中。今春から新卒入社した広告代理店に復職、今一度自らのキャリアを見つめ直している餡蜜さんが、大企業の副業解禁やコロナ禍でのテレワーク浸透の影響で近頃注目の「副業マッチングサービス」を体当たりでレポートします。
 

東京在住・田舎を持たない私が、地方のお仕事に興味津々な理由


さて、長らく自分探しのジャーニーに出ておりましたが、今回は再び副業マッチングサービスのご紹介をしたいと思います。連載第2回第3回「Workship」を運営する株式会社GIGさんへの取材を通して、コロナの影響で地方在住者の参入が大幅に増えてきているというお話を伺いましたが、逆にリモートワークを武器に都心に居ながら地方の仕事を担うということは出来ないのかしら……という疑問が湧いてきました。

何を隠そうワタクシ、地方での仕事に興味津々なのです!!! 田舎を持たない私にとって、地方は旅で訪れる機会しかなく、日本の土地土地に根付く魅力的な文化をもっと時間をかけてじっくり体感したいという憧れの気持ちを常に持っていました。

コロナが流行る以前、会社の後輩が「30歳を目前に一生をかけてやりたい仕事を見つけました」と日本酒を作り、販売し、ブランドを発信していくスタートアップ企業へ転職しました。それまで都心のオフィスでバリバリと働いてきた彼女が、今や全国の契約酒蔵を飛び回り、酒米の田植えをしたり仕込みをしたり、完成したら販売もしたり……と日本酒を世界の食卓に届けるべく奮闘しています。

彼女はイイ女過ぎて「最近カレとどう?」とか聞いても微笑みながら「ふふ、どうでしょうね」とアンニュイな回答しかしてくれないのですが、日本酒のことについては即レスで熱く語ってくれます。でも田植えや仕込みで年がら年中忙しくしているので、たまに誘っても「あ、今田んぼなので……」みたいな別の意味でツレないスタイルは相変わらずです。

 

また別の友人は元々東京で地方創生の仕事をしていたのですが、本業で培ったスキルと人脈を生かし、北海道のある地域を活性化するプロボノ(※)活動をしています。「病で倒れるほどハードに働いていたのに、なんでやろうと思ったの?」と尋ねてみると理由は3つあるとか。

※プロボノとは社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや専門知識を生かして取り組むボランティア活動

 


ひとつめは本業では管理職だったため現場に出ることが少なく、自分のスキルが社会の役に立っているという実感、そして発揮出来る場所を得たかったから。

ふたつめは企業にいる限り“収益”は無視出来ないけれど、それとは異なる社会的指標ややりがいを得られる仕事をやってみたいと思ったから。

みっつめは東京では見られない景色、美味しいごはんを求めて、仕事を理由に遊びに行けるのが楽しかったから。

だそうです。通っているうちに第二の故郷のような気持ちが芽生え、地元の方とも仲良くなり定期的に現地を訪れることをとても楽しんでいましたが、現在はコロナでオンラインでの活動がメインなのだそう。早く自由に行き来出来る世の中に戻ってほしいですね。

彼女たちの話を聞くにつれ、いいな~私もやってみたいな~という気持ちは膨らむ一方ですが、とは言え忙しい夫と3人の子供を抱えながら全く異なる仕事に飛び込む勇気も、フットワーク良く地方に通う身軽さも今の私は持ち合わせていないのでした。

 
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