入院による退去の目安は3カ月
入院中の居室の扱いは老人ホームによって違いがありますが、ひとつの目安として3カ月と考えてください。ただしほとんどの施設は、すぐに退去を求められるということはありません。ですが当然、契約を解除しない限り、老人ホームの利用料は入院中も発生します。ちなみに家賃と施設管理費は必ず支払わなければいけませんが、光熱費や雑費の負担については施設の規定によって変わってきます。
老人ホームと言ってもいろいろな種類があるので、主な施設の退去の目安をお伝えしましょう。
・特別養護老人ホーム3カ月以内の退院が見込まれる時は再入居が可能
・介護老人保健施設併設病院以外への入院時は退去の可能性大。再入居は再調整が必要
・有料老人ホーム退去要請はほとんどないが、3カ月以上の長期入院は応相談
ちなみに、以下のような場合は退去を促される可能性が大きいので、注意が必要です。
①入院費と施設費用の二重負担となり、経済的に支払えないと予想される場合
②施設では対応できない、生活が維持できない特別な医療処置が必要となった場合
有料老人ホームを選ぶ時の留意点
高齢になると、病気の一つや二つ持っているのが当たり前。そのため、老人ホームが病気のある人を受け付けてくれないと、多くの人が入居先を失いかねません。老人ホームの中には、末期がんや重度の認知症、人工透析などの病気を抱えていても、入居が可能な施設はいくつもあります。その一方で、医療面のケアにあまり重きを置いていない施設になると、症状によっては入居ができないケースも出てきます。この辺りを事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
病院が経営母体である施設、診療所を併設している施設などは、医療ケアが充実しています。持病の悪化が懸念される場合は、医療体制が整った施設を選んでおくと安心です。
また、入院を余儀なくされた場合に支払わなくてはいけない費用についても、入居前にしっかり確認しておいた方が良いでしょう。入院が原因で起こる退去トラブルはとても多いもの。入居前に理解しておくことが大切です。
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構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
編集/佐野倫子
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