「子供を持つことは素晴らしい」という結論や女性神話を解体したかった

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『ヒヤマケンタロウの妊娠』4月21日(木)Netflixにて全世界同時独占配信

坂井:妊娠や出産を扱った作品って「子供持つことは素晴らしい」という結論になりがちなんですが、世の中には子供持てない夫婦もいれば、事情があって中絶を選ぶ人もいるし、出産はしたものの赤ちゃんをかわいいと思えない人もいる。子供ができたら結婚するのが当然といった風潮もちょっと否定したかったし、「女性に関する神話」を解体する目的もありました。

上野:「女性に関する神話」?

 


坂井:女性には生まれながらに母性があるというような「母性神話」とか。特に妊娠や出産においては「あれしちゃいけない、これしちゃいけない」ってすごく言われるし、インターネットなんかでは真偽が曖昧な話も拡散されているじゃないですか。

上野:どう考えていいのか難しいですね。

坂井:私の実体験で言えば「赤ちゃんは母乳で育てるのが一番」という圧力は結構感じていました。私はあんまり母乳が出なかったんですが、そこで「もうミルクでいいや」と思えなかったんですよね。それで母乳を出すマッサージをしてくれるところに通ったり。20分のマッサージで6000円ぐらいするんだけど結局出なくて、「だったらこの6000円で自分のためにいいもの買えばよかった」ってすごく思いました。そういう神話に否定的だった私ですら、なんとなく「母乳じゃなきゃいけないのかな」って追い込まれてしまう。そのあたりをもうちょっと緩めていくことができたらいいなというのもありましたね。

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上野:人それぞれですよね。体質とか、年齢とかにもよるし。できるだけ自然に育てたいとは思うけれど、仕方がないこともあるだろうし。