10代の少女に、憧れを持つなんて!

写真:毎日新聞社/アフロ

「笑わないプリンセス」と言われた時代もあったはずです。ただそれも、物事を深く掘り下げるがために、“国民に笑いかけることの意味”をご自身なりに見出せなかったせいなのかもしれません。

 

そういうものが年齢的に腑に落ちない時期があるのは、自分たちにもよくわかる。むしろ、極めて一般的な価値観を持っていたことの表れなのでしょう。だから早くも人格ができあがっているような早熟ぶりを見せることができたのかもしれないのです。

いずれにせよ、そこにいたのは、“心の整った美しい大人”。素晴らしい成長を遂げられたことに高揚感を感じたのと同時に、なんだか憧れさえ持ってしまいそうでした。

3歳でデビューした芦田愛菜さん。写真:Kodansha/アフロ

でもこの感覚、なんとなく既に覚えがあると思ったら、じつはあの幼き大女優、芦田愛菜ちゃんにも感じていたもの。

それこそ10代半ばの少女に憧れるなんて、この歳になってどうかと思うけれども、その聡明さや素直さ、人を心地よくする人間性に明らかに魅了され、どう考えてもそれは尊敬であり、憧憬。うっかり、「いつかこんな女性になりたい」などと今更のように思ってしまうほど、感心以上のものを感じていたのは確かなのです。

人間、年齢ではないことはわかっているけれど、それを決定的にしてしまう存在。時として、人生を既に何周も生きてきてしまったような人がいるものだけれど、実際そういう成熟した精神性を持つ10代を目の当たりにしてしまうと、魂はいろんな人の体を借りて何度も人生をやることを、信じざるをえなくなります。

だから、孫と言ってもいい年齢の女性に憧れることも不思議ではないわけです。