輝かしいキャリアを築いている人、自信に裏打ちされた美しさをたたえた人、ほかの誰とも違う個性をもった人。テレビや雑誌でそんな素敵な女性を見かけたとき、つい自分と比べてしまったことはありませんか。
「この人は、私と同じように悩んだことがあるのだろうか」
「こんな恵まれた人には、コンプレックスなどないだろうな」
表舞台で輝く姿からはうかがい知れない、彼女たちのリアルな足跡。私たちが「本当に聞きたかったこと」を存分に語ってくれた、貴重なインタビュー集が4月20日に発売されました。
個性豊かな女性たちが語る、「わたしが27歳だったころ」
講談社の女性誌『with』で連載されていた、各界の著名人25人の「27歳だったころ」を振り返るインタビュー集。俳優の大竹しのぶさん、山口智子さん、脚本家の北川悦吏子さん、政治家の野田聖子さん……。登場する女性たちの多くは経験豊富なミドル世代、もしくはもう少し上の世代です。
インタビューを読み進めていくと、パーフェクトに見える人生が実は紆余曲折を経たものであることがわかってきます。そしてそのキャリアの中で、27歳は特に不安の強い時期だったようです。
テレビドラマ『大奥』後、事務所移転しスケジュールの立て方を変えた菅野美穂さん。撮影/来家祐介(aosora)
女性誌の専属モデルを務めながら、「自分は表紙を飾るモデルにはなれない。この先どうしていこう」と次の一手を探していたという27歳の吉瀬美智子さん。自分には特別な才能がないと思っているからこそ、当時も今も、常に将来に向けた明確な目標を立てているそうです。
世間からつけられた「若くて可愛い」イメージと本来の自分とのギャップに悩み、俳優という職業の明確なゴールの無さに悩み。27歳だった頃は悩みすぎるくらい悩んでいたという長谷川京子さん。その後母になり、子育てと仕事の両立に取り組む中で、悶々と悩むことが減ってきたといいます。
置かれた場所、与えられた役割に違和感を覚え、「私はこうしたいの!」という気持ちが湧き上がる27歳頃の女性は、いわば大人の反抗期。
反抗期とはいえ、幼児のイヤイヤ期やティーンエイジャーとは違います。やみくもに「イヤイヤ」と抵抗するのではなく、「どうすれば自分らしく生きられるか」を試行錯誤するスキルと胆力があるのが27歳の女性。
ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』でおなじみの脚本家・野木亜紀子さんも、20代後半まで人生のビジョンを持てず、アルバイトや派遣で色々な職場を転々としていたそうです。
○歳で就職して、○歳で結婚して、○歳で家を建てて……。「こうやって生きていけば安心」という箱に自分を入れるのではなく、「自分はどうしたいか」を考えるのはときに苦しいことです。しかも、その先に道が拓ける保証はありません。
でもその「先の見えない不安」に向き合ってきたからこそ、彼女たちは自分らしい人生を切り開けてきたのではないでしょうか。
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