温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が、5月27日に発売となります。新刊から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

つらい思いをしている人は、今いる場所から飛び出すことを選択肢に【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 


今いる場所がすべてではない

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私たちは人生において、学校や会社などの狭い空間で過ごすことがあります。
特に学生時代は、学校が自分の日常のすべてで、そんな中で、決してあってはならないことではありますが、いじめに遭ったり、仲間外れにされたり、また、性的嫌がらせを受けたりなどといったつらい経験をしてしまうことがあります。

 

外に広い世界が広がっていることを知っている大人から見れば、学校は非常に狭い世界なのですが、その場にいる子どもからすると、つらいことがあっても、クラスは自分の希望で替わることはできないし、転校をするという選択肢があることも想像がつきません。
そのため、どんどん追い詰められてしまいます。

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狭い空間の外には可能性に満ち溢れた世界がある


また、大人になって会社に入っても、パワハラやセクハラなど、つらいことが起きる場合がありますが、今いる環境がすべてに思えてしまうと、つらいことがあってもどうすることもできず、メンタルの不調を招いてしまうことも。
このような場合、自分の命を絶ってリセットしたいと思ってしまう人もいます。

でも、今いる場所から離れることでリセットできるということを、知っておいていただきたいのです。

限定された非常に狭い空間の外には、それ以外の可能性に満ち溢れた世界があるのですから、つらかったら、まずはその狭い空間から逃げてしまっていい。このことを大きな声で伝えたいんです。

自分がつらい思いをしている、その狭い空間が、理不尽な世界である可能性があることを自分で否定しないでください。

自分が今いる場所から離れて、自分のことをまったく知らないどこかに行ってみると、今までとは違う人生を始められたり、新しい人と出会えたり、考え方が変わったりするものです。

 
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