お肌と同じ! フェムゾーンも老化する
初期症状は無自覚なことがほとんどなのがこの病気。その後、腟の違和感、下垂感、挟まった感じ、頻尿、残尿感といった症状が出てくるといいます。
症状として最初に自覚するのは、座ったときに陰部に何かを押し込まれたような違和感があったり、便秘や運動したときにぬるっとしたものが膣に触れたり……と人それぞれ。
ひどくなると、手術の可能性もあるそう。
さらに8年前にアメリカで提唱された女性ホルモンが低下したために起こる「GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)」も、ウロギネ科の大きなテーマになっているんだとか。
「女性ホルモンは35歳を過ぎると急激に減少し始めます。そのため、見た目にわからなくても、潤いや弾力性が失われています」(野村先生)
慢性かつ進行性疾患で、閉経後の50%の女性が何らかの症状があるそう。
フェムゾーンに関連する違和感は、内診してもわからないこともあり、本人にしかわからないことも少なくありません。
うまく言葉にできないし、病気ではないと思うけれど、最近なんだかフェムゾーンに違和感を感じる……。今までは、更年期を迎えたからそれも仕方ないかと思っていた不快感も、ガマンしたりあきらめたりする必要はナシ!
お肌と同じようにフェムゾーンも老化しているのです。
ホルモン補充療法や漢方薬、CO2レーザー治療などの治療方法がありますが、それぞれ効果が出る人出ない人がおり、保険適用外の場合は高額になることも。納得しながら治療できるように、途中で中断したり変更したりしながら、自分に合うものを医師に相談しながら決めていきましょう。
不安を取り除き、基準点をつくる
とはいえ、まだまだ日本で「ウロギネ科」の専門外来を持っているクリニックはそう多くはありません。
そんな時は、オンライン診療がおすすめ。野村先生の亀田総合病院の場合、保険診療で、初診の人がほとんどだそう。内診はできませんが、更年期世代の人は働いている人が多いので、まずは手軽に受診できるのは大きなメリットです。
「今何に困っているのか、おりものなのか、下垂感なのか、違和感なのか、痛みがあるのか。困っていることを1回話すと整理ができます。そして、今が基準点になる。基準ができると、経過を見ることができます。医師から受診の目安を伝えることもできるし、アドバイスもできる。
不安が症状を増幅させることもあり、安心することで今の状態を受け入れられる人もいます。重症の場合は受診すれば良いわけですし、骨盤臓器脱の場合でも、すぐに手術にはなりません」(野村先生)
また、「女性ホルモンは閉経後も65歳までは少量ですが出ています。65歳で第二の閉経が起こる」とのこと。
更年期を過ぎても、まだまだカラダの変化は起こります。
自分のカラダに今何が起きているのか、自分のカラダが今どんな状態なのかをきちんと知ることは、安心にもつながります。
毎日を前向きに快適に過ごすためにも、自分のカラダと上手に付き合っていきましょう。
構成/佐野倫子
前回記事「【専門医に訊く】地味に不快...そのちょっぴり尿もれ、更年期や経産婦は諦めるしかない?」はこちら>>
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