いろんな楽しみ方ができるのがドラマの魅力。中でも30年来のドラマファンとして、これだけは欠かせないという楽しみがクレジットのチェックです。

クレジットとは、オープニングもしくはエンディグで表示されるキャスト・スタッフの名前の一覧のこと。最初に僕がクレジットに興味を持ったのは、まだ小学生のとき。きっかけはアニメ『美少女戦士セーラームーン』でした。ご存じの通り主人公はセーラームーンこと月野うさぎ。クレジットでは、うさぎのあとにセーラームーンの相棒である猫のルナと、運命の恋人・タキシード仮面/地場衛が表示されていました。

 

そして、そのあとに続くのがセーラームーンの良き仲間である内部太陽系戦士。当初は、登場順にセーラーマーキュリー/水野亜美、セーラーマーズ/火野レイ、セーラージュピター/木野まことと表示されていました。しかし、最後の四戦士であるセーラーヴィーナス/愛野美奈子が登場したあたりで、事件が発生。亜美ちゃんとレイちゃんの位置が逆転し、レイ→亜美→まこと→美奈子の順でクレジットされるようになったのです。

こちとら亜美ちゃんの強火担(熱烈なファンのこと)ですから、突然の序列変更にメロスと同じくらい激怒しました。確かにアニメの『セーラームーン』ではうさぎとレイちゃんの口喧嘩が見どころのひとつ。うさぎにとって最も素の自分をさらけ出せるのはレイちゃんという描写がされていました。実際、最終戦で最後までセーラームーンと行動を共にするのもマーズ。レイちゃんが重要人物であることはよくわかる。

けれども、初めに仲間になったのはマーキュリーなのです……! 亜美ちゃん初登場回のサブタイトルは「天才少女は妖魔なの? 恐怖の洗脳塾」。あまりの語呂の良さに、放送から30年近く経った今もスラスラと言える。それをいきなりこの冷遇。齢9歳ながら初めてテレビ朝日に抗議の電話をかけるというモンペまがいのことをしそうになりました。

以来、クレジットというものに興味を持つようになった僕は、ドラマを観るときも必ずクレジットをチェックするように。すると、役柄的にはAという人物の方が重要なのに、なぜかBという俳優の方がクレジットは上という現象がしばしば見られることがわかりました。なんとなくそこに芸能界特有のパワーゲームを感じて、ほくそ笑んでいた少年時代。我がことながら性格が陰湿すぎてゾッとします。