天気の影響で起こる、頭痛をはじめとする身体の不調。もしかしたら「気象病」かも! でも「私の頭痛、気象病が原因かも……」と思ったら、何科を受診するのがいいのでしょうか?
日本で初めて「気象病外来・天気痛外来」を開設した、天気痛ドクターの佐藤純先生に、「病院選びのコツ」「症状の上手な伝え方」を教えていただきました。「天気と痛みの関係なんて、どう伝えればいいかわからない!」という方は必見!ちょっとした工夫で医師とのコミュニケーションがスムーズになる、具体的な方法とは?

〈監修〉佐藤 純 Jun Sato

天気痛ドクター・医学博士。愛知医科大学客員教授。中部大学生命健康科学研究科教授。パスカル・ユニバース(株)CEO。名古屋大学環境医学研究所、名古屋大学教授を経て、愛知医科大学病院で日本初の「気象病外来・天気痛外来」を開設。東京竹橋クリニックでも気象病・天気痛外来医として診療を手掛ける。NHK「ためしてガッテン」「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビでも活躍。株式会社ウェザーニューズと共同開発した「天気痛予報」を2020年にリリースした。『「雨ダルさん」の本』(文響社)、『ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書多数。

 


「気象病かな?」と思ったら何科で診てもらえばいいですか?
専門外来が近所になければ、ネットで「気象病」「天気痛」について発信している病院を探してみましょう。

ご自分で気象病を疑ったら、「気象病外来」「天気痛外来」を受診していただくといいと思います。とはいえ、このような専門外来がある病院はまだまだ少ないのも現実。近所にない場合は、ホームページなどで気象病や天気痛について発信している病院や先生を探してみるといいでしょう。主に、神経内科や漢方内科、頭痛外来の先生が発信されていることが多いと思います。

普段診てもらっている「かかりつけ医」に訊いてみたい場合は、訊ね方を少しだけ工夫してみるといいですね。気象病については肯定的な捉え方をする先生がいる一方、正式な病名ではないために、否定的な考えを持つ先生もいらっしゃるからです。「テレビやネットでこう言ってたんですけど、私も気象病じゃないですか?」と決めつけで伝えず、まずはご自身の体調変化に基づいて、相談することを心がけるといいと思います。


気象病かもしれない症状について、病院ではどう伝えたら良いですか?
「天気」と「体調」の日記をつけ、それを見せながら相談してみてください。


先ほどもお伝えしましたが、「私、気象病ですよね?」と決めつけた上で先生に聞くのはあまりおすすめしません。私が推奨しているのは、まずは「天気」と「体調」を記録する日記をつけることです。その日記を元に、「自分はこういうタイミングで、こんなふうに調子が悪くなります。どうしたらいいでしょう?」と先生に相談されるのがいいと思います。

日記を書く際には、以下のような内容をセットで書き留めておくようにしてみてください。

①自分の行動と体調について
体調の波や痛みの強さ/睡眠時間/運動の有無 など

②気象について
天気/気圧/温度/湿度

その日の気圧は、ウェザーニュースの「全国の天気痛予報」ほか、アプリなどでも確認することができます。

佐藤純先生が考えた、気象と体調管理のための「痛み日記」

※画像は『天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法 』(光文社)をもとに作成

 
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