気象病の予防法としては、「耳栓」を使うことも有効だと考えています。私が監修させていただいた気象病専用の耳栓は、防音や遮音を目的としたものではなく、「気圧の変化を柔らかくする」ことが目的です。元々はアメリカで開発されたものですが、耳栓の中にはフィルターが入っていて、中央には小さな穴が開いています。この特殊な設計により、耳が感じる気圧の変化を和らげてくれる効果があります。

佐藤純先生が監修した「気象病」予防のための耳栓。小さな穴が空いた設計なので、装着中も会話が聞こえます。アクセサリー感覚でつけられる、かわいいジュエリー付き。おしゃれ天気痛耳栓¥2200(税込、送料込) 問い合わせ先:Rose Paris(ロゼパリ)

あとは、やはり健康的な生活に気をつけることです。「気象病」は自律神経に影響しますから、一般的な頭痛治療でも言われるように、睡眠時間を7時間以上とる、ストレッチで筋肉をほぐす、前屈み姿勢で長時間パソコンやスマホを見ない、朝ごはんをちゃんと食べるなど、自律神経の切り替えをスムーズ行える生活を心がけましょう。これは気象病に限らず、全ての病気予防に共通することです。

頭痛がひどいときに鎮痛剤を飲むのは問題ありませんが、月に10錠以上服用するようだと頭痛そのものが酷くなっていく可能性があります。鎮痛剤を飲みすぎることを当たり前にしないことも、重要なセルフケアのひとつだと思います。

 


頭痛予測アプリなどは予防に有効ですか?
有効です。「全国の天気痛予報」などを上手に活用してみてください。

 

気圧は1日の中でも必ず変動しています。朝9時と夜の21時は気圧が高く、夜中3時と午後15時は気圧が低いといった具合に、大気の温度や月の満ち欠けによる引力の影響を受けて、上がったり下がったりしているんです。

こうした気圧の変化を知ることができるツールやアプリは、気象病予防にも有効です。体調の日記をつけたり、予定を立てたりする際に、大いに活用されることをおすすめします。

ウェザーニューズが提供する「天気痛予報」は私が共同開発した無料のツールです。「天気痛予報」のもとになる情報には、今お伝えしたような気圧の日内変動や小さな気圧変動も含まれています。最新の気象予測、さらに季節の特徴なども加味してアルゴリズム化されており、6日先までの「天気痛予報」を出しています。ユーザーへのアンケート調査や定期的なデータ検証するなどで常に精度アップを図っていますので、ぜひ参考になさってくださいね。


取材・文/金澤英恵
イラスト/徳丸ゆう
構成/山崎 恵
 

 


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