産婦人科医という立場から、女性の体や心に関する情報を、さまざまなメディアで発信している高尾美穂先生。温かな言葉と、明るく穏やかな人柄に癒される人が多く、いまさまざまなメディアでひっぱりだこです。

先日、そんな高尾先生の最新の著書、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)が発売になり、その出版を記念して、去る5月28日に代官山 蔦屋書店にて、高尾先生のトークイベントが開催されました。リアルとオンライン併せて200名近くの方が集まった当日、高尾先生からはどんなお話があったのでしょうか? その模様を、お届けします。

大人気の産婦人科医が指南「悩みがあっても更年期でも、自分で自分を“大丈夫”にする方法」_img0
 


自分自身に“大丈夫”と言える状態を作っていきましょう


今回の新刊は、「生理とうまくつきあえば大丈夫」「更年期は必ずやってくる。でも大丈夫」「パートナーの悩みがあっても大丈夫」「子どもがいても、いなくても大丈夫」など10の章に分かれ、女性がラクに人生を生きていくための、高尾先生からの111ものメッセージが紹介されています。
そんな “大丈夫”という言葉に高尾先生が込めた思いとは……。

 

「大丈夫という言葉は、いろんな意味で使われますが、何か大変なことがあったとき、自分で自分に“でもきっと大丈夫”と言い聞かせること、ありますよね? この本で言いたかったのは、そんな大丈夫なんです。
普段から、自分で納得のいく取り組みをしておけば自分自身に大丈夫と言える、自分にOKを出せる。そんな状態を自分で作っていきましょうということ。
では、そのために何をすればいいかというと、“自分で変えていけること”にフォーカスすることです。

たとえば、新型コロナウィルスの蔓延だったり、台風が来たりといったような状況は残念ながら自分では変えられません。ですから、そういうことは前向きに手放す。自分なりに検討してみて、どうにもならないことは、自分で納得したうえで手放すということです。そうすると、もっと本当に大事なことに注力できるんです。私たちの脳の容量は限られていて、何に多くを使っているかは人によって割合が違います。みんな自分の思考回路を上手く使い分けているんですが、その中に一部でも不安や心配事があると、使えない部分が増えてしまうんです。ですから不安や心配事はひとつでも減らすといいと思います」

大人気の産婦人科医が指南「悩みがあっても更年期でも、自分で自分を“大丈夫”にする方法」_img1
代官山 蔦屋書店2Fのおしゃれなシェアラウンジが会場に。


たくさんの悩みの中で、一番解決しやすいのは自分自身の悩みです


そして高尾先生から、不安や心配事を少しでも減らすための、こんなアドバイスが。

「2020年4月から、私はstand.fmというアプリで音声配信番組『高尾美穂からのリアルボイス』を始めて、それ以来、番組宛に1000件をはるかに超えるお悩み相談のレターが寄せられるようになったんですが、女性は本当にいろんなことに悩んでおられるなと思います。

みなさんの悩みは、大きく分けると、まずひとつが、体のことや、自分のキャラクターのことといった自分自身の悩み。
ふたつめが、パートナーや、親御さんやお子さんのことといった身近な人との関係に関する悩み。
3つめが職場の人やママ友などといった、少し距離が離れた人との関係に関する悩み。悩みを距離感で分けるとだいたいこの3つとなります。
では、この悩みの中でどれが一番、解決しやすいと思いますか? 
そう、それは自分自身の悩みです。

大人気の産婦人科医が指南「悩みがあっても更年期でも、自分で自分を“大丈夫”にする方法」_img2
 

隣にいてくれるパートナーは、自分のことをわかってくれるだろうと思いがちですが、パートナーも残念ながら他人。ですから、いくら距離が近くてもその人を変えようと思っても難しかったりしますし、もっと距離が離れている人なら、なおさら難しいわけです。
そう考えると、自分の悩みを解決することって一番ラクなんです。

その中でも最も解決しやすいのが、体の悩みです。これは、今の2020年代を過ぎたから言えること。たとえば更年期なら、こんな治療が安全・安心だよとわかっているように、体に対する対策は確立しているものが多い時代です。だからうまく活用したほうがいい。体のことより心のことのほうが、解決が難しいんです。だから、シンプルに解決できる体のことくらいは、いい感じにしておくことが大事。
そのためにも、年に1回は健康診断を受けておけば、自分の調子が悪い部分を知ることができますし、異常が見つかったら悪化させないようにメンテナンスもできる。こんなふうに、まずは“体”をよい状態に保つ努力をして、その次に、“心”をよい状態に保つ努力をするといいと思います。

心はというと、感情の波が、上がったときと、落ちたときの幅が大きいほど疲弊しまうので、私自身は波の幅をそれほど大きくしないように意識しています。一番落ちたときにも、今、自分は波のこの辺にいるなと客観視できれば、このあたりであれば戻れるか、なんていうとらえ方もできますよね」

そんなふうに、人生をラクに生きていくためのコツをわかりやすく話してくださった高尾先生。新刊には、そんなコツがさらにたくさん紹介されています。

「みなさんが、私の今回の本と出合ってくださったことは偶然だと思いますが、この偶然をこれからの人生に生かしてくださいね」