シリーズ最恐と言われるNetflixオリジナル「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の最新シーズン。アメリカの田舎町ホーキンスで起こる新たなミステリーは確かにホラー度が増しています。でも、アップデートされたのは怖さだけではありません。これまで以上に、80年代ポップカルチャー使いも憎い。高校生になったイレブンたちの衣装と話題の音楽の魅力に迫ります。
 

80年代ホラーと西海岸ファッションの新鮮味

Netflixオリジナル「ストレンジャー・シングス 未知の世界」より。Courtesy of Netflix

2016年にスタートし、前作から3年の時が流れてもNetflixシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」の人気は衰えるどころか、ますます過熱しています。最新シーズン「4」の第1部が5月27日に配信開始されるや否や、Netflix英語TV番組の過去最高記録を更新しました。全世界、7日間で3億3501万時間も視聴され、Netflix公式 TOP10ランキング1位を91か国で獲得するなど、勢いを見せつけています。

 

それより何より評価したいのは、熱量の高いストレンジャー・シングスファンも納得させ、新しいファンも楽しませるポイントが惜しみなく盛り込まれた点にあります。そのキーワードにあるのが「古くて新しい80年代」です。そもそも、ストレンジャー・シングスは80年代を舞台にしたドラマの先駆け的存在にあります。リードしてきた意地を見せてか、最新シーズンは「古くて新しい80年代」の使い方が目立ちます。大きくそれは3つあります。


1つ目の「古くて新しい80年代」はホラーテイストで発揮していました。アメリカ中西部の田舎町、インディアナ州ホーキンスの町の下に「裏側の世界」が存在する設定そのものが全シーズンを通じてピリっとした緊張感が与えていましたが、今回は加えて80年代ホラーの融合が見事に表現されています。オマージュされたのは名作「エクソシスト」や「エルム街の悪夢」など。少しずつ真相がみえてくる謎解きシーンに「殺人鬼フレディ・クルーガー」の名前が台詞からこぼれたりもします。

Netflixオリジナル「ストレンジャー・シングス 未知の世界」より。Courtesy of Netflix

2つ目は衣装にあります。超能力者のイレブン(ミリー・ボビー・ブラウン)ら主要メンバーの一部がホーキンスからカリフォルニアに移住した設定が加わったことで、明るいパステルカラーに溢れた80年代西海岸ファッションも新鮮に映ります。Netflix公式ファンサイトTUDUMにある衣装デザイナーのエイミー・パリスの話によると、「ホーキンスの人たちはチェック柄や秋の色が多い。素朴で古風な感じ」ということ。物語の中の必須アイテム、トランシーバーや自転車とこの上なくマッチしてもいました。

またカリフォルニアの衣装の拘りにも納得できます。「明るい色は、太陽に照らされたカリフォルニアで目立つんです。サーファー・スタイルやスケーター・スタイルを意識しました」と、パリスが説明しています。新キャラクターが続々と登場するシーズン4はそれぞれの個性が衣装にも表れて、80年代カルチャーが一目でわかる楽しさも増幅しています。

Netflixオリジナル「ストレンジャー・シングス 未知の世界」より。Courtesy of Netflix
Netflixオリジナル「ストレンジャー・シングス 未知の世界」より。Courtesy of Netflix
 
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