「あなたの結婚生活は、幸せですか?」

この質問にまったく躊躇いなく「はい」と答えられる夫婦はどれだけいるでしょう。
おそらく多くの方が即答はできず、言葉を濁したり、あるいは驚くべき夫婦事情を口にすることもあります。

「婚姻制度」が定められたのは、実は120年以上前の明治時代。社会も価値観も変化していく中、多くの夫婦が様々な問題を抱えているのが現実です。

この連載では、現代の男女が抱える問題について取材。結婚生活は山あり谷あり。そのとき人は、どのような選択をするのでしょうか?

「子どもを堕ろせ。産むなら二度と連絡するな」既婚男性と別れ、“未婚の母”となった女性の決断_img0
 

今回お話を伺うのは、未婚の母という勇気ある選択をし、シングルマザーとして2歳の女の子を育てる美香さん(仮名)。けれど「今が人生で一番幸せ。満たされています」と穏やかに微笑む彼女に、その過去と現在の状況を語っていただきました。

取材者プロフィール美香さん(仮名)35歳
職業:自営業
家族構成:2歳の娘
 


贅沢をしても、いつも寂しかった


「私、30歳を過ぎるまで自分で家賃を払ったことがなかったんです」

娘さんを保育園に送ってきたばかりという美香さんは、ママチャリをカフェの前に停め、席に着くと淡々と語り始めました。

「20代の頃は、本当にどうしようもない恥ずかしい女だったと思います。いつも付き合った男の人にマンションを借りてもらって楽な生活をしていて、24歳の頃には一度結婚したけど半年で離婚しました。私はお金目当て、彼は私の身体目当てで、お互いすぐに嫌になってしまったんです。あ、娘の父親は離婚後に出会った人なので、元夫ではありません」

ノーメイクの顔にキャップを被り、Tシャツとジーンズを着た美香さんは、それでも一般人離れした綺麗な女性であることが分かります。それもそのはず、20代の頃はグラビアアイドルとして人気があったよう。

数分話しただけでも、少し浮世離れした生活を送っていたことが伝わりました。

今では更新していないというFacebookの写真をこっそり見せてもらうと、そこには大胆な水着姿がずらり。このプロポーションによって、20代の美香さんは派手な男性に囲まれて過ごしていたそうです。

「正直なところ、あの頃は『私はすべて手に入れた』と思っていました。贅沢な暮らしに旅行もたくさんしたし、お金も“女”を使えば簡単に稼げました。でも、すごく嫌な女でした。理由は分からないけど、内心はいつも寂しくて寂しくて、贅沢をするほど飢えていく感じ……心の中で『助けて』といつも思ってたんです」