心理カウンセラーとして、モラハラ・DV・離婚・人間関係など女性問題の相談を2000件以上受けている福山れいさん。著書『7つのワークで「自分らしさ」を取り戻す モラハラ夫の精神的支配から抜け出す方法』では、37歳の時に2人の子どもを抱えてモラハラ夫と離婚した福山さんの体験談と共に、妻が夫から精神的に自立するための7つのワークを紹介しています。そこで今回はワークの中から、モラハラ夫とその妻が陥りがちな関係性と、モラハラ夫との“心の境界線”の作り方についてご紹介します。

妻の弱みを本能的にキャッチするモラハラ夫。自分の身を守る「夫との境界線」の作り方_img0
 

まずは今の夫とあなたの関係性を見てみましょう。あなたと夫との関係は、どのように成り立っているでしょうか。最初に出会った時はそれぞれが別の世界を持ち、それを尊重できる関係だったのではないでしょうか。

あなたは今、自分だけの時間を持っていますか? 楽しみがありますか? 友達はいますか? もしかしたら、いつしか夫婦の距離感のバランスが崩れ、それぞれの境界線があいまいになってきているかもしれません。

 


あなたの立ち位置は?


①それぞれが独立した関係

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夫との関係だけでなく、自分だけの楽しみや時間、友人を持っています。外からの風通しがよい関係です。それぞれが自分だけのパーソナルスペースを持ち、その部分に関してはお互いに干渉しません。ひとりでも、夫と一緒でも幸せな関係となります。

②支配的な関係

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夫の枠の中に妻が入ってしまっています。そのため、夫と妻との上下関係ができあがっています。

③侵入される関係

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お互いの領域に侵入してしまっています。どこからが自分なのかが曖昧な関係となります。

②③は、外部との交流がなくなり、外からの風通しが悪い関係です。家庭という密室に閉じ込められた状態とも言えます。この中にいると、支配と束縛の関係が当たり前となり、ここが自分にとっての世界のすべてだと思うようになります。モラハラから抜け出すためには、②③の「不健全な関係」にいることに気づくことが必要となります。

①のようにそれぞれが独立した関係を「健全な関係」とすると、その関係を保つために大切なものは、自分を守る心の境界線です。モラハラ関係においては、この境界線があいまいになりがちなのです。