「あなたの結婚生活は、幸せですか?」

この質問にまったく躊躇いなく「はい」と答えられる夫婦はどれだけいるでしょう。
おそらく多くの方が即答はできず、言葉を濁し、あるいは驚くべき夫婦事情を口にすることもあります。

「婚姻制度」が定められたのは、実は120年以上前の明治時代。社会も価値観も変化していく中、多くの夫婦が様々な問題を抱えているのが現実です。

この連載では、現代の男女が抱える問題について取材。結婚生活は山あり谷あり。そのとき人は、どのような選択をするのでしょうか?

 

お話を伺うのは、幼い子どもたちを連れ、半年前に離婚をした真弓さん(41歳)。

前回は夫の良平さんが真弓さんのお財布から1000円を盗むほどお金に執着し始めた経緯、家にいるときは寝室にこもってスマホとゲーム三昧な様子を伺いました。

咎めると物にあたることもあり、これ以上家族としてやっていくのが難しいと感じたと言います。

後編では、離婚を決意したあとどのように行動したのか、またのちに明らかになった「夫の真意」を伺います。

取材者プロフィール真弓さん(仮名)41歳 
職業:メーカー事務職
家族構成:4歳年上の元夫、6歳の息子、5歳の娘。夫婦共に同じ会社に勤務。地方出身のため、子育ては親御さんに頼れず。
 


「残業しないと収入が減るだろう」と激怒


「夫を家族として信頼する気持ちはどんどん薄れましたが、子どもを連れて離婚をするには決定的な理由がないと、数年間悩みました。DVや生活費をくれないということはないので。寝室にひっこんでいる父親でも、子どもにとってはいたほうがいいのかな? とか。

それでも苦しい気持ちは消えませんでした。夫がいつまでも自分主体で、家族を支える、とか子どものために、という思いを感じられないことがやるせなかった。

例えば、保育園のお迎えも、私が少しでも早く迎えに行ってあげようと必死に仕事を定時までに終わらせると、『残業しないと給料が減るだろう』と怒りました。家計のデメリットでしか見てなくて、子どもの気持ちはどうでもいいのかなと淋しかったんですよね」

子どもが生まれてからは、自分でも驚くほど家族ファーストで物事を考えるようになったという真弓さん。それだけに、常に主語が「自分」の夫に、違和感があったと言います。

真弓さんは次第に思い詰め、夜も眠れなくなり、体重も減少。自分さえ我慢すればという気持ちで過ごし、誰にも相談しないで家事育児を一手に担っているうちに、次第に心身がすり減ってしまったのです。

真弓さんは、ついに心を決めました。