温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。
職場で言いにくいことは、 主語を「私」にするとうまく伝わる
職場で、人に言いにくいことを伝えなければいけない状況になることは、誰にでも少なからずあると思います。
たとえば、同じチームの人の仕事のやり方によって、自分や周りの人が困っていて、変えてほしいと思ったときなどにそういう状況になりますよね。
でも、人に厳しいことは言いづらいものですし、ましてや相手が威圧的なタイプの人だったり、人から何かを言われるのを嫌う人だったりすると、反発されてしまう可能性もあります。
では、どういうふうに言うとうまく伝えられるでしょうか。
まずは、相手への感謝の気持ちを伝えよう
私自身、職場で「長」がつく立場なので、言いづらいことを伝えなければいけない場面はときどきありますが、そんなときに心がけていることがあります。
まず、相手に気を遣いすぎると、伝えたいことがぼやけて伝わらなくなってしまって意味がないので、伝えることをはっきりさせておきます。
そして、話の流れで気をつけているのは、最初に、あなたのいいところはこんなところですよねと、相手をほめることです。
これはテクニックとしてではなく、その人の素晴らしいと思う部分や、その人への感謝の気持ちなどをまずは伝えることが大事だと思うからです。
次に、何に困っているかという事実を伝えます。
過去の出来事をいくつも挙げるのでなく、本人も記憶にあるような最近の出来事を例に挙げます。
それに対して、「みんながこう思っている」というような主語を曖昧にした伝え方でなく、必ず主語を「私」 にして、「私はこう思っている」と伝えます。
そして、「私はこれを変えたほうがいいと思っているから、協力してもらえないだろうか」と伝えて、最後に「私たちだったらこの状況をよい方向に変えていけると思う」というような前向きな結びにもっていきます。
この順序で話すと、伝えたいことが伝わりやすいように思います。
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