「非認知能力」を育む子育てコーチングを行うボーク重子さんは、昨今、教育の現場でも注目を集める非認知能力とは、「主体的で、自己肯定感が高く、粘り強さと忍耐力があり、柔軟で自制心を働かすことができ、困難から立ち直るレジリエンス(精神的回復力)も備えている」能力資質だと伝えます。

ボーク重子さんの著書『しなさいと言わない子育て』は、子どもの非認知能力を伸ばすための親の接し方について、マンガとケーススタディーを交えて教えてくれる一冊ですが、筆者がもっとも衝撃を受けたのは「ほめかた」についての指摘でした。実は子どもを「ほめる」という行為は、その伝え方によって子どものやる気を奪うことにもなりかねないのだそう。

「また叱っちゃった!」と自分を責めることはあっても「またほめちゃった!」と反省する機会は少ないであろう育児の現場。今回はボーク重子さんに“子どもの非認知能力を育む”視点から、テストでいい点を取った、試験に合格したときの「子どもをほめるコツ」を教えてもらいます!

「100点すごいね!」はNG?!テストでいい点を取った子どもへ、親の正しい「ほめ言葉」とは_img0
 


「いい点数」をほめちゃダメ?


「結果ではなくプロセスをほめる」とはよく聞くことですが、そもそもどうして結果ではなくプロセスをほめるべきなのでしょうか?

 

「満点」とか「合格」という結果ではなく、プロセスをほめる。
その理由は、「再現性」にあります。

「満点」や「合格」という結果は、あくまでも「そのときの結果」にすぎません。自分がどんなに努力しても、何かの条件がそろわず、報われないときがあります。

反対に、プロセスとは、その結果に至るまでの行動です。報われるかどうかは別として、結果を目指し全力でやったこと、そのひとつひとつがプロセスであり、それは100%自分のコントロール下にあります。行動は、また同じことを再現することができます。

これは「良い行動を習慣化する」ことにつながりますが、プロセスをほめたり肯定することは、良い行動を習慣化することにもなるのです。何しろ自分で再現することができるのですから確実です。

ですから、ほめるときはやみくもにほめるのではなく、そして失敗成功に関係なく、そこに至るまでのプロセス、つまり「何をやったか」「どうやったか」についてほめることを徹底しましょう。