「あなたの結婚生活は、幸せですか?」

この質問にまったく躊躇いなく「はい」と答えられる夫婦はどれだけいるでしょう。
おそらく多くの方が即答はできず、言葉を濁したり、あるいは驚くべき夫婦事情を口にすることもあります。

「婚姻制度」が定められたのは、実は120年以上前の明治時代。社会も価値観も変化していく中、多くの夫婦が様々な問題を抱えているのが現実です。

この連載では、現代の男女が抱える問題について取材。結婚生活は山あり谷あり。そのとき人は、どのような選択をするのでしょうか?

「20代の彼女ができた元夫に、財産を奪われ...」シングルマザーを追い詰める、元夫の恐ろしい攻撃 _img0
 

今回お話を伺うのは、シングルマザーとして2人の男の子を育てながら服飾デザイナーとして活躍する夏美さん(37歳)。

前編では、裕福な子持ち男性とのスピード婚、その後の豹変について教えていただきました。彼のモラハラに疲れ離婚に踏み切ったものの、夏美さんが一番辛かったのは、離婚後に再び始まった元ご主人の攻撃だったそうです。

取材者プロフィール夏美さん(仮名)37歳
職業:デザイナー
家族構成:11歳、12歳の息子
 


離婚後に夫が恋しくなる...“揺り戻し”が辛かった


モラハラ発言や家出癖が激しかった元ご主人と、離婚に向けて別居を始めた夏美さん。

それから調停を繰り返し、離婚が成立しました。幼い子どもを二人育てながらの離婚は体力的にも精神的にも疲労が絶えなかったそうですが、なんとか乗り越えたそう。

財産分与などの条件も整い、人生再スタートを切ったように思えました。

「すでにお話しした通り、元夫は気分屋で気性の荒い人なので、離婚に至るまでもいろいろありました。急に子どものように『ごめんねごめんね』と謝り離婚したくないと言い始めたり、『俺はもう子育ては飽きたから、お前が勝手にやってくれ』と無責任なことを言われたり.......。

ただ、離婚時はわりと円満だったんです。夫所有のマンションの一つをもらい、子どもたちと3人で住むことになりました。当時は専業主婦だったので仕事をする必要はありましたが、当面の生活費などは困る状態ではなかったので、なるべく前向きに頑張ろうと思っていました。ただ、このときは“揺り戻し”と言うのでしょうか、元夫が優しかった頃のことを強く思い出して恋しくなることがよくあり、しばらくは彼を引きずっている状態でした」

この“揺り戻し”とは、多くの離婚やモラハラ・DV経験者が経験する心理状態だそうです。辛い状態から解放されたときに新しい環境になかなか馴染めず、むしろ過去の良かったことばかりを思い出し、最悪の場合は元の状態に戻ってしまうこともあるそう。

「けれど本当に辛かったのは、離婚からしばらく経ってからでした。元夫に新しい年下の恋人ができてから、また彼の攻撃が始まったんです」