「あなたの結婚生活は、幸せですか?」

この質問にまったく躊躇いなく「はい」と答えられる夫婦はどれだけいるでしょう。おそらく多くの方が即答はできず、言葉を濁し、あるいは驚くべき夫婦事情を口にするかもしれません。

この連載では、現代の男女が抱える問題について取材。結婚生活は山あり谷あり。そのとき人は、どのような選択をするのでしょうか?

「僕はチャーハン」「私は酢豚」結婚の挨拶で見た、学歴至上主義一家の奇妙なギャップ_img0
 

今回お話を伺うのは、「超・学歴偏重一族」の男性と結婚してしまった香織さん(36)。高学歴な夫と結婚してハッピーエンド、とはならない現代の複雑な社会、結果的に香織さんは10年以上の結婚生活ののち、なんと自身の浮気という形で結婚生活を終わらせてしまいました。

「ただ話をしてくれる人が欲しかった。でも裏切っていい理由にはなりませんよね」と肩を落とす香織さんに、その顛末を伺いました。

取材者プロフィール
 香織さん(仮名)36歳
職業:元テレビ番組制作会社のアシスタントディレクター。現在は派遣社員。
家族構成:4歳年上の元夫
 
 


交わらないはずの二人が出会ったのは、アルバイト先


「夫が私への不満や愚痴はもちろん、私の親や友人の悪口をSNSの匿名アカウントで呟いているので、私の話の後にそちらも読んでみてください。私が彼に送ったDMはもちろん、私の友人と私のやりとりもそこにコピーされていて。私のスマホのロックを解いて、盗み見をしていたということですね。そんなことをする人には見えないのですが……彼はとても理性的で頭のいい男性なんです」

都心のカフェに現れた香織さんは、背が高くエキゾチックな容貌で、シンプルなシャツに黒いパンツが映える素敵な方です。しかしうつむく横顔は心なしかやつれており、離婚の心労の大きさが伺えます。

香織さんが10年以上の結婚生活に終止符を打ったのは、昨年末のことでした。

「私と彼は本来、接点のない世界線の人間でした。でも学生時代、他校の大学研究室のアルバイトで、私が電話番、彼が研究員の卵として接点が生まれてしまって。それが始まりでした」