電車の広告、テレビのCMでやたら流れる「転職」に関する広告。筆者は27歳ですが、大学の同級生はすでに過半数が新卒で入社した会社を辞め、転職しています。新卒の就活だけでなく、今は社会人になってからの転職活動を経験する人も多いのではないでしょうか。実は筆者には、就活や転職で「なぜ?」と思わずにはいられないことが山ほどあります。

根強く残る「新卒一括採用」神話

 

中でも、筆者がもっとも就活で疑問に思うのは、企業の新卒一括採用至上主義です。日本の就活システムでは、新卒こそが最強カード。現在も「新卒一括採用」神話が連綿と受け継がれている状況ですが、これには弊害があると思っています。

例えば、筆者の知り合いだと、家庭の事情(介護など)や病気などで、新卒で就職できなかったという人もいます。そういう人たちは、中途で採ってくれる会社(必然的に待遇も悪くなります)か、非正規で働くしかなくなります。また、途中でのキャリアチェンジが非常に困難で、経験がある業種・職種を武器に就活するとなると、どうしても同業界内で探すしかなくなります。つまり一度入ったが最後、「やり直しがきかない」のです。

ハイクラスはまた状況が異なると思いますが、新卒入社を逃すと“新卒で入社できる規模感・福利厚生が充実した企業”には転職できない可能性が極めて高くなる印象を受けます。新卒とさほど変わらない年齢なのに、新しいチャレンジができない。そんな息苦しい就活市場が出来上がっています。

 


第二新卒/既卒は「圧倒的に不利」


新卒一括採用至上主義の日本では、第二新卒/既卒になると、就活市場で圧倒的に不利。これは、転職経験がある方なら共感していただけるのではないでしょうか。

第二新卒とは、新卒入社から約3年以内に会社を辞め、就活をする人材のこと(企業によって定義が異なる場合があります)。例えばパワハラやうつ、単純に職場が合わなかったなどの理由で新卒入社した会社を辞めた場合、第二新卒に区分されます。なお、卒業後に一度も正社員として働いたことがない人は、既卒と呼ばれます。