“おしも”を一生、自分でコントロールするために、「骨盤底筋」を鍛えましょう【産婦人科医・高尾美穂】_img0
 

温かな言葉に癒やされると話題の産婦人科医、高尾美穂先生の新刊『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)から、女性の体や心の悩みに安心と解決法を与えてくれるお話をひとつご紹介します。

 


長い人生 ずっと、
自分の〝おしも〟をコントロールしよう

“おしも”を一生、自分でコントロールするために、「骨盤底筋」を鍛えましょう【産婦人科医・高尾美穂】_img1
 

私が女性のみなさんによくお話しするのが、骨盤底筋の重要性についてです。

骨盤底筋という言葉は、近年ずいぶん知られるようになってきたのでご存じの方も多いと思いますが、その名の通り、骨盤の底にある筋肉です。

ハンモックのような形をしていて、子宮や膀胱や直腸など骨盤内の臓器を下から支える役割があります。

また、もうひとつの大事な役割が排泄のコントロールです。

女性の骨盤底には、尿道、腟、肛門の3つの穴があり、骨盤底筋がきちんと機能することで排泄もコントロールされています。

そのため、この筋肉が衰えることで起こりやすいのが、「尿もれ」です。

“おしも”を一生、自分でコントロールするために、「骨盤底筋」を鍛えましょう【産婦人科医・高尾美穂】_img2
 

男性の尿道は20cm程度と長く、しかもN字形に曲がっています。
これに対して、女性の尿道は3cm程度と短く、しかもまっすぐなので、上から腹圧がかかると、もれやすい傾向があります。
それに加えて、下から支える骨盤底筋の力が衰えると、腹圧に負けてしまい、より尿もれしやすくなってしまうのです。
 

骨盤底筋は、出産のほか、便秘など腹圧をかける行為で衰えやすい


骨盤底筋が衰える最も大きな原因が出産です。
出産時に赤ちゃんが腟を通って出てくるときに骨盤底筋は大きく伸ばされるのでダメージを受けます。

また、骨盤底筋は腹圧がかかることでもダメージを受けますが、出産でいきむことは人生で最も大きく腹圧をかける行為です。
ですから難産でいきむ回数が多いほど、骨盤底筋はダメージを受けます。
そのうえ、妊娠中に大きくなる子宮を下から支えることも骨盤底筋に負担がかかります。

妊娠出産以外では、便秘でいきむ、花粉症などでくしゃみや咳をする、重いものを持つなど、腹圧をかける回数が多いことも骨盤底筋の衰えを招く原因です。

 
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