——ドラマ版で、盗撮被害に遭っても泣き寝入りしようとしている女性に対し、不二子は「一回逃げることを覚えたら、この先ずっと逃げることになる」と諭す名シーンがありました。菜々緒さんも同じようなスタンスで人生のいろんな問題と向き合ってきたのでしょうか?
菜々緒:不二子の考え方も一理ありますが、個人的には逃げるのも一つの選択肢なのかなと思っています。「面と向かって戦うほど価値のある相手でもないし」と、割り切って先に進んだほうが自分のためになるケースもあると思います。
——学生時代からずっとそんな感じだったのでしょうか?
菜々緒:学生時代から今に至るまで根本的な性格はあまり変わりませんが、正直に言うと30代になってから徐々に変化を実感しています。やっぱり以前と比べると疲れやすくなった気もしますし、体力的に男の人には叶わないと感じる瞬間も増えました。カラダの変化に伴って「やる気はあるのに、20代の頃と同じペースで働けなくなるかもしれない」という現実に直面したのは、私にとってはなかなかの挫折でしたね。
——大人の女性にとって避けては通れない問題ですが、どうやってポジティブに気持ちを切り替えましたか?
菜々緒:年齢を重ねれば必ず直面することだと思うので、仕事との向き合い方を変えていくしかないです。私の活動を支えてくれている方々のことを思うと頑張りたくなるのですが、無理をして心身のバランスを崩してしまったら元も子もないですし。自分を大切にしながら、できないことは「できない」と割り切ることも大切。休むときはしっかり休んで、気力に満ちているときは全力で頑張る。その境界線を見極めるためにも、日頃から自分の体や気持ちと向き合って、自分と対話することが大切だと思っています。
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