回転が速い、機転が利く、打てば響く……。“頭の良さ”と言えば、これまではどちらかというと思考の速さを意味していた気がします。しかし昨今は、その事情がやや変わりつつある印象が。SNS上では誰かのコメントに即反応して炎上したり、結論を急ぐあまり後ろにある大事な背景を見逃したり。そんな光景を目にすることが日常茶飯事に。むしろ今や、すぐに答えを出そうとせず“遅く考える”ことのほうが必要になってきている気がします。

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そこで、“遅考術”の提唱者で、新著『遅考術 じっくりトコトン考え抜くための「10のレッスン」』の著者でもある植原亮 関西大学教授に取材。mi-mollet世代が陥りがちな思考の罠を回避する方法、そして、溢れ返る情報時代を生き抜く術について伺いました。ものすごーく役に立つと思いますので、是非一読ください!

 

植原亮
1978年埼玉県に生まれる。2008年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術、2011年)。現在、関西大学総合情報学部教授。専門は科学哲学だが、理論的な考察だけでなく、それを応用した教育実践や著述活動にも積極的に取り組んでいる。
主な著書に『思考力改善ドリル』(勁草書房、2020年)、『自然主義入門』(勁草書房、2017年)、『実在論と知識の自然化』(勁草書房、2013年)、『生命倫理と医療倫理 第3版』(共著、金芳堂、2014年)、『道徳の神経哲学』(共著、新曜社、2012年)、『脳神経科学リテラシー』(共著、勁草書房、2010年)、『脳神経倫理学の展望』(共著、勁草書房、2008年)など。訳書にT・クレイン『心の哲学』(勁草書房、2010年)、P・S・チャーチランド『脳がつくる倫理』(共訳、化学同人、2013年)などがある。