当たり前のことですが、自分自身が年を重ねていくにつれ、親も高齢になっていきますよね。「介護はまだ先のこと」と思っていても、物忘れが多くなる、体のあちこちが悪くなる……そんな親の様子に、漠然と不安を抱えている方も多いのではないでしょうか? ですが、親の「老後」はいずれ、必ずやってきます。今回は、「老後の親子関係」について考えておきたいことを、米国の実情を踏まえ、山田悠史先生に解説いただきました。


教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。最新刊は、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』(講談社刊)。
Twitter:@YujiY0402

 

アメリカでも、介護をするのは圧倒的に女性が多い


編集:あくまで一般的なイメージですが、日本では「老後は娘と暮らしたい」と言われる方が多い気がします。理由を考えたときに、娘と母親は自然に会話が弾んだり、友人関係のようになりえたりするので、楽しい老後をイメージしやすいからなのではないか……と思います。アメリカではいかがでしょうか?

山田:意外に思われるかもしれませんが、実はアメリカでも「介護」や「老年医学」の世界は、圧倒的に女性が多いです。

編集:アメリカもそうなんですか。驚きました。

山田:はい。特に私が住むニューヨークでは、比較的男女が均等に仕事に参画しています。ですので、介護の現場に女性がここまで多いとは、元々は考えていませんでした。