子どもの養育を放棄したり、子どもに暴力を振るったりする児童虐待が後を絶ちません。幼い頃に虐待を受けた子どもたちは、心に大きな傷を背負うことになります。現在、漫画アプリ・マガポケで連載中の『降り積もれ孤独な死よ』も、児童虐待が物語に大きく関わっているノワールサスペンス。原作の井龍一さん、作画の伊藤翔太さんは、10月からスタートしたドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』(フジテレビ系)の原作を手掛けた二人。この最新作にも期待が集まっています。


大豪邸の空き巣事件から、子ども13人の監禁事件が発覚!


物語が始まるのは、2006年のこと。Y県警富字山南署の“自称”エリート刑事・冴木仁(さえきじん)は空き巣に入られた大豪邸の現場に入ります。

話題の『親愛なる僕へ殺意をこめて』コンビが描く“児童虐待”...13人の死の真相は?【漫画『降り積もれ孤独な死よ』】_img1
 

大豪邸の中はひどい荒らされようでしたが、家主の灰川十三は不在。年齢は40代半ばで、約20年前にこの家を買い取って一人で暮らしていたとみられています。冴木は、数年間は空き家だったという割には、邸内は手入れが行き届いており、電気も通じていることに疑問を抱きます。また、灰川は一人暮らしだったはずなのに、邸内には子ども部屋があり、何人もの子どもが暮らしていた様子。

話題の『親愛なる僕へ殺意をこめて』コンビが描く“児童虐待”...13人の死の真相は?【漫画『降り積もれ孤独な死よ』】_img2
 

また、別の部屋には映画のDVDが散らばっていました。仁は、空き巣による窃盗事件よりも、灰川という人物の方が気になり始めます。そんな時、真っ黒なパッケージに入った、何も書かれていないDVDを発見する仁。「…エロだな」と、そのDVDをプレイヤーに入れて再生する仁。そこには、屋敷の地下室を映した映像が残されていました。子どもたちが監禁されており、どの子どもも痩せこけた姿。部屋の隅には黒い山ができていて、よく見ると、それは積み上げられた子どもたちの死体でした。地下室を捜索したところ、子どもたちの遺体が13体発見されました。

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Y県警はその日のうちに、家主の灰川十三を「逮捕・監禁」と「死体遺棄」の容疑で、全国に指名手配します。身の毛もよだつ現場に立ち会うことになった仁は帰宅後、幼少期の自分を思い出します。実は仁も父から日常的に暴力を振るわれており、灰川に対して静かな怒りを燃やします。

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かつて屋敷で暮らしていたという女性が現れて……。


Y県警が調べたところによると、灰川には婚姻歴はなく、子どもの出生届や認知届もないため、殺された13人の子どもたちの身元は不明のまま。そんな時に、仁の所属する富字山南署に、一人の女性が現れます。屋敷から子どもたちの遺体が発見されたというニュースを見たという彼女の名前は、蓮水花音(はすみかのん)。指名手配された灰川は自分の“父”だと名乗り出ます。

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4年前まであの屋敷で暮らしていたという花音は母子家庭の出身で、実の母から育児放棄をされていたといいます。母は不在なことが多く、ろくなものも食べられない状況にありました。そんな時に出会い、手を差し伸べてくれたのが灰川だったと振り返ります。

スキンヘッドに全身黒尽くめの服装、顔の半分近くは大きな傷に覆われていた灰川は、第一印象は“死神”のようでしたが、花音のように児童虐待に遭っている子どもたちを集めて世話し、彼らが生きるための術を教えていたというのです。花音にとっては、彼女を救ってくれた唯一の大人。花音は、血縁関係のない子どもたちを我が子のように大切にし、父のような存在だった灰川が犯人であるはずがないと主張します。

 

息をつかせぬクライム・サスペンス


仁をはじめとする警察は、灰川を犯人と見て捜査をしているだけに、にわかには信じられません。花音曰く、あの屋敷には19人の子どもたちが暮らしていて、今回、遺体で発見されたのは13人。花音を含めた残る6人は生存しており、その中の誰かが犯人かもしれないというのです。

こうして、ミステリーの幕が上がることになります。
灰川は風貌からして疑われてもおかしくはない立場にありますが、生存している子ども6人は揃って「灰川さんは犯人じゃない」と証言します。一方で、幼い頃に父から暴力を振るわれていた仁を筆頭に、花音を含む6人の子どもたちも何らかのトラウマや、当時の虐待の影響を引きずっています。このことが、物語にも大きく関連してきます。

そして捜査が進むにつれ、予想だにしない出来事が明らかになっていきます。また、真実が明らかになったと思いきや、それが二転三転したりと、息つく暇もないほどのスリリングな展開が待ち受けています。子ども13人を監禁して殺した真犯人は誰なのか。登場人物たちに潜む闇にはどんな真実が隠されているのか。10月21日には単行本4巻が発売されたばかり。秋の夜長のお供にいかが?

 

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『降り積もれ孤独な死よ』
原作:井龍一 漫画:伊藤翔太 講談社

累計100万部超の大ヒットクライムサスペンス『親愛なる僕へ殺意をこめて』コンビ、最新作! 富字山南警察署の刑事・冴木仁は空き巣の通報を受けて、山の手にそびえ立つ屋敷へ向かった。ところが、調べを進めていく中で、衝撃の事実が判明。捜査陣に戦慄が走る…!! 血塗られた狂気と対峙する刑事を描く、激情と慟哭のノワールサスペンス、開幕!!

 

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