芸能人は「土足で踏み込んでいい」存在か？今泉佑唯さんの引退は、看過してはいけない「私たちの問題」

10月26日、元アイドルで女優の今泉佑唯さんが「皆様へ」というタイトルでブログを更新しました。そこには、「こうして発信することは最後になる」という文言がありました。はっきりと「引退」とは書かれていませんでしたが、仕事をお辞めになるとのことでした。また、その決断に至った背景が生々しく記されていました。

モザイク入りとはいえお子さんを盗撮されネットに流される。
婦人科の入口で男性が待ち伏せしている。
常にマスコミに追われて、ストレスで突発性難聴になったことなど。
とてもショッキングな内容でした。

このブログを読んでから、心がズーンと重苦しく、ずっと色んなことがぐるぐるぐるぐると頭を駆け巡っています。

今泉さんは、国民的アイドルグループ、欅坂46の初期のメンバー。センターである平手友梨奈さんの脇を鈴本美愉さんと固め、強い存在感と迫力のあるパフォーマンスで一時代を築きました。そして惜しまれつつもグループを卒業。その後、当時人気ユーチューバーだった男性との結婚、妊娠を発表しました。
 

誹謗中傷にさらされながら、出産、そして女優復帰

しかし、今泉さんが妊娠中に、夫であるユーチューバーが児童ポルノ法違反容疑で逮捕、起訴されるという衝撃的な出来事がありました。元大人気アイドルが妊娠中に、夫が性犯罪の加害者になるという、大きなゴシップとして世間の注目を浴びることとなります。

そんな中で出産をしなければならなかった今泉さんの心痛は、察するに余りあります。さらに有名人であるがゆえに、何もしていない今泉さんご本人も世間から心無い誹謗中傷を浴び、「ネタ」として面白おかしく、おもちゃのようにされ、あげつらわれ、マスコミに連日取り上げられるという何重もの困難を背負うことになってしまったのです。

しかし、それでも今泉さんは、出産を経て、女優の仕事に復帰を果たしました。しかもその仕事は舞台の主演という大役。小さなお子さんの子育てをしながら、女優の仕事までやる。こんなタフなこと、そうできるものではありません。