どの人物にも、その闘いを選ばざるを得なかった環境がある

 

ドラマ『エルピス』はテーマ性に定評のある渡辺あやさんによるオリジナル脚本です。『大豆田とわ子と三人の元夫』などを手掛けた佐野亜裕美プロデューサーと共に作り上げていったというストーリーの中で「正義とは何か?」という本質的な問題も訴えかけてきます。

三浦さん自身もこの作品を通じて、正義との向き合い方に気づかされることがあるようです。

『エルピス -希望、あるいは災い-』(カンテレ・フジテレビ系/月曜よる10時放送中)第3話より

「登場するキャラクターひとりひとり皆、闘っています。それぞれ自分の思う正しさを貫く方法をちゃんと考えていて。同じ正義を見ていたとしても、立場によって取り方が違うし、同じゴールを見ていても、その過程で相反するものがあったり。自分自身についてもモノづくりをしているなかで、なんでそうなってしまうのか、こうしたらいいんじゃないかっていう思いが生まれることがあります。でも、相手にも正義があるわけです。だから自分の正義を貫くことだけ考えるのではなく、相手の正義も理解した上で、ディスカッションできたらいいなと思います」

 

チェリーを含めて、自身が共感するキャラクターについても聞くと、その答えについても三浦さんは思考を巡らせます。

「共感できないキャラクターがいないことがこの作品の難しさでもあります。この人の闘い方が素晴らしいとか、この人が間違ってるって言えたらシンプルだけれど、その闘いを選ばざるを得なかった環境があるから、どのキャラクターも人として理解できてしまう。だから、誰に一番共感できるかって言えない弱さにも気づかされてしまう」


既に完成されている脚本を最後まで読んだ上で、この先の見どころも教えてくれました。

「最終話まで考えさせられるがまま走っていきます。ドラマを通して私たちに考えるべきテーマを投げかける終わり方だからこそ、このドラマを最後まで見て欲しいと思います」

『エルピス -希望、あるいは災い-』(カンテレ・フジテレビ系/月曜よる10時放送中)第3話より