何かと難しい「母娘関係」。これがこじれる場合において、悪いのは母なのか。それとも娘なのか。「母」である人、「娘」である人、時にその両方である人たちにとって、それは永遠の謎といえるかもしれません。新作映画『わたしのお母さん』は、そんな「母娘関係」を描き出した作品です。母・寛子は、無邪気な図々しさで人好きするしっかり者。長女・夕子は、無口で内向的、思っていることの半分も言えません。性格も生活も異なり、昔から反りも合わない二人は、あるきっかけから同居することになります。大事件が起こるわけではありませんが、その日常は「母と娘」のあるあるだらけ。張り詰めてゆくその関係に、演じたおふたりはどんなことを感じたのでしょうか? 

 

井上真央
1987年1月9日生まれ、神奈川県出身。角田光代の小説を映画化した『八日目の蝉』(11/成島出監督)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、山路ふみ子映画賞新人女優賞をはじめ数々の賞を受賞する。その他の映画出演作に、『白ゆき姫殺人事件』(14/中村義洋監督)、『焼肉ドラゴン』(18/鄭義信監督)、『カツベン!』(19/周防正行監督)、『一度も撃ってません』(20/阪本順治監督)、『大コメ騒動』(21/本木克英監督)など多数。テレビドラマでは「花より男子」シリーズ(TBS)、連続テレビ小説「おひさま」(11/NHK)、大河ドラマ「花燃ゆ」(15/NHK)、「明日の約束」(17/KTV)、「乱反射」(18/NBN)、「少年寅次郎」(19/NHK)、「夜のあぐら〜姉と弟と私~」(22/BS松竹東急)に主演。

石田えり
熊本県出身。1978年、『翼は心につけて』(堀川弘通監督)で映画デビュー。『遠雷』(81/根岸吉太郎監督)で日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞を受賞。『華の乱』(88/深作欣司監督)、『飛ぶ夢をしばらく見ない』(90/須川栄三監督)で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞はじめ数々の映画賞を受賞する。その他、『嵐が丘』(88/吉田喜重監督)、『AYA』(91 /スルーン・ホアス監督、オーストラリアAFI主演女優賞ノミネート)、『サッドヴァケイション』(07/青山真治監督)など話題作に数々出演する。世界的な写真家ヘルムート・ニュートンが撮影した写真集『罪―immorale―』(93)は大きな話題を呼んだ。2017年にはピーター・リンドバーグ撮影の写真集『56』を刊行。18年には、短編映画『CONTROL』で初監督。21年10月公開の『G.I.ジョー・漆黒のスネークアイズ』(ロベルト・シュヴェンケ監督)ではハリウッド映画デビューを果たしている。

 


次ページ▶︎ 「完璧なお母さん」と「可愛げがない娘」の不器用な悪循環


【写真】可愛げがない娘・井上真央と感情的な母・石田えり。反りが合わない母娘の関係は緊張感を増していく……
▼右にスワイプしてください▼