高齢者が、健康な状態から介護が必要な状態にシフトしていく段階のことを「フレイル(虚弱)」と呼ぶのをご存じでしょうか。親が「疲れて何もやる気が起きない」「ここ数ヶ月で体重が落ちた」などと口にしていたら、もしかしたらそれはフレイルかもしれません。フレイルは運動不足や社会活動の減少によってリスクが高まるものですが、ここ数年はコロナによる過度な自粛が引き金となるケースも多く、以前に増して注目を集めています。今回相談に訪れたひとみさんも、実家に住む父親にフレイルのような症状が見られたとのこと。話を聞いてみましょう。

 


社交的だった父がコロナを機に引きこもりに


78歳になる父親は、埼玉の実家で母と暮らしています。父はもともと社交的で、仕事も遊びも何でも活発にやるようなタイプでした。ですがコロナが流行り出してからは自宅にこもりがちな生活が続き、旅行やゴルフはもちろん、友人たちと食事に行くことも減ったようです。それでもコロナにかかるよりは……と思っていましたが、近頃すっかり老け込んでしまったような気がして。

このまま介護になってしまったら……と少しモヤモヤしていたら、先日娘の七五三で久しぶりに家族が集まった時、夫がこっそり「お義父さん、何だか覇気がなくなったんじゃないか?」と言うのです。確かに年のせいか足腰は弱り、心なしか元気もなくなったように見えます。心配になったので、看護師の友人に父の様子を話したところ、「心身の機能が低下してフレイルの危険が高まっているのかも」と言われました。

フレイルを予防した方がいいとアドバイスされましたが、フレイルの意味も予防の仕方もわかりません。父は再び元気になれるのでしょうか。

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