11月11日は「介護の日」です。本連載では、これまで「老人ホーム選びのポイント」や「在宅介護と施設介護の比較」など、さまざまな角度から介護について紹介してきました。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる時代、介護は地域で支えるものへと変わりつつあります。今回の相談者・美和子さんも、親の認知症発症がきっかけで、地域と介護の関わりについて知るようになりました。話を聞いてみましょう。
認知症の母が社会と接点を持つ方法
実家は自宅から徒歩10分ほどの距離にあり、両親とは同じ町内に住んでいます。父は86歳、母は78歳になりますが、これまで特に大きな病気にかかることもなくここまで来ました。ところが先日、父が「母さんの様子がおかしい」と訴えてきたのです。話を聞くと、料理の味付けが日によって濃かったり薄かったり、かなり差があるとのこと。また、会話中も同じ話をすることが多くなったと言います。
これはいよいよ認知症かもしれないと心配になったので、メンタルクリニックで検査をしたところ、案の定アルツハイマー型認知症と診断されてしまいました。
医師は認知症の進行を遅らせる薬物療法を行ってくれるようですが、それ以外に「洗濯や食器の片づけなど、これまで通り家庭の中で役割を持ち、前向きに日常生活を送ってください」とアドバイスされました。また、「社会と接点を持ち、ご両親が夫婦で閉じこもることがないように見てあげてください」とも言われたのです。「社会との接点?」と思いながらもその日は自宅に帰ってきましたが、そう言われても何をすれば良いのか分からなくて……。
母は習い事もボランティア活動もしていないので、そもそも社会との接点がないのです。そこで介護に詳しい社会福祉士の友人・貴美子に相談したところ、こう言われました。
「私が働く地域包括支援センターでは、ここ数年地域包括ケアシステムの構築を進めているの。それによって、ボランティアや住民組織の活動も増えてきたし、認知症カフェなんていうのも一気に増えてきたのよ。そういうところに参加するのも社会参加と言えるかな」
地域包括ケアシステムや認知症カフェについて彼女から大まかに聞きましたが、いまいちピンと来ません。詳しく教えていただけますか?
認知症カフェの概要についてはこちら
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