有料老人ホームに入居したはいいけれど、トラブルがあって退去せざるを得なくなった──。これはよく聞く話です。トラブルにまで発展せずとも、食事が合わなかった、思いのほか介護度の重い人が多くて元気な自分は馴染めなかったなど、暮らしてみて分かることは少なからずあります。そんな時に浮上するのが、「入居時に払った大金はどうなってしまうのか!?」という切実な問題です。今回の相談者・梢さんの母親も、入居した施設で一悶着あった模様です。話を聞いてみましょう。

 


老人ホームで入居早々盗難トラブル!?


83歳になる母は、父が他界して以来、神奈川の実家で一人暮らしをしています。半年ほど前に要介護2の認定を受けており、この段階が一人暮らしを継続できるか否かの境目だと言われてきました。そのため、施設入居や同居についても考えてきましたが、ついにその時が来たようです。

最近は、外出先で道に迷って警察から連絡が来るなど、認知症が進行している様子が見られます。受け答えはまだできるものの、私が頻繁に実家に顔を出せないこともあり、悩んだ末に施設へ入居することになりました。

ちょうど近くに良さそうな介護付き有料老人ホームがあるので見学に行ったところ、母は「綺麗な施設! ここならいいわ!」と気に入った様子です。体験入居でも「食事が美味しい」と言っており、迷うことなく入居を決めました。

ところが入居から2カ月経った頃、同じフロアに住む女性が「部屋から指輪がなくなった!」と大騒ぎ。「あなたが盗ったんでしょ」と母を責めてきたそうです。もちろん盗ってはいないですし、何の根拠もありません。職員の方が仲裁してくれましたが、入居早々のトラブルに母は疲弊してしまいました。

 
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