絵付け、薪窯を作って焼く
ここの工程は、何度も訪れていて企画展でもご参加いただいている健太郎さんのところで。
絵を描くことが本当に苦手な私ですが、ベトナムの古い食器をイメージして一筆書き的な感じで水辺に咲く花を描いてみました。苦手だからこそ、簡単に逃げる技を知ってるというか、なんとか下手がバレないように工夫して生きてます。笑
そこから、大好きな薪割りを経て、レンガを積み上げて窯を作っていきます。薪の上に絵付けをした茶碗を入れその上に木炭を。炭の中に茶碗を埋めるとは、想像と違いましたね。
昨日からご一緒の皆さんなので、この時点でもう1つのチームのようになっていたのも印象的でした。私は1人で参加したのですが、作業などを順序よく譲り合いながらお、和気藹々とした雰囲気になったのも、素直な気持ちで唐津の土に触れているからなのではないかと思いました。
お茶会
最後は、凛とした雰囲気の酒器や茶器を得意とする陶芸家 三藤るいさんの三藤窯でのお茶会です。
まずは、るいさんの作った器でいただくお料理の数々を堪能しながら、「なぜ陶芸家になろうと思ったのか」「どうやって土を探しているのか」など、るいさんについてのお話しを伺いました。器についてや、色の違いや釉薬のことなど、インタビューではないのにこんなにゆっくりとお話を伺える機会はとても貴重な時間です。
この日のために作ったという8寸のための器も、表情が豊かでとても美しいものでした。この日のために、どれだけ想いを詰め込んでくださったかがよく分かりました。
お食事が終わると、お外での一服のための投げ入れ体験を。初めての体験でしたが、皆さんそれぞれの個性がしっかりと出ていて、これまたとても良い時間でした。
そして、外に出て驚きました。登り窯の前に素晴らしい空間が!
前日の夜ご一緒していた時は、お客さまをきちんとおもてなしできるのかと、かなり心配をしていたるいさん。「大丈夫! こっちもジャージみたいな服装なんだし、気持ちだけで十分だよ!」なんて返答をしていた自分が恥ずかしい……。るいさんの美意識の高さ、おもてなしの心の深さと大きさを感じ、何事においても最後まで考え抜くということを諦めてはダメだなと反省しました。
この幕も、今回のために特別に作ったもので、るいさんが焼き物の釉薬に使う鉄を使って泥染という技法で全体を染めています。全てを単一に染めるのではなく、下から上に、地面から空に向かっていく様を表現したかったのでグラデーションになるように染めてもらったそう。この泥染の上から、今回のテーマである「土」を墨染めで表現しているそう。さまざまな土の表情を濃淡や大きさの違いで表されています。
土を作り、形を作り、焼き、その器でお茶を点てて飲む。土から器が生まれるプロセスを自分の手で行い、さらに唐津焼と密接な関係のあるお茶の体験もある素晴らしいものでした。今回の体験ツアーは、4つの窯を全てまわることで唐津の文化体験と言えると思います。
モニターツアーなので、まだ詳細は確定ではないとのことでしたが、ブラッシュアップされたものが来年からスタートするそうです。唐津だけでなく、さまざまな土地でこのような伝統と文化と土地に根ざした豊かな取り組みが体験できると、より自分の生まれた国への理解が深まるのではないかと思います。
私も土地と文化に根ざしたイベントを企画したい! と常々思っています。1回限りのものではなく、その場所と何かしら繋がりができて、お互いに楽しく前を向いて進んでいけるような深いコミュニケーションをとっていく先に、そんな機会ができたらいいなと企んでいます。笑
【唐津焼】土から器が生まれるプロセス、お茶会を体験
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