学生運動の狂気と熱狂をリアルに描く!

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『恋とゲバルト(1)』(モーニング KC)

日本でもかつて、大学生が学生生活や政治についてデモや集会を行い、授業のボイコットや建物の占拠を行っていた時代がありました。昭和40年代の話で、令和の今からすれば遠い昔の出来事のように思えるかもしれませんが、学生運動真っ只中の大学生たちの青春群像マンガ『恋とゲバルト』を読むと、当時の空気感に触れることができます。

 

学生運動に揺れるとある大学で、希望を胸に上京してきた東儀(とうぎ)ひろし。一見、政治には何の関心もなさそうな純朴な青年に見えますが、実は古武術の達人で、右翼勢力の刺客として入学してきました。一方、左翼勢力には、赤いヘルメットとタオルで顔を多い、ヌンチャクのような武器を振り回す謎の“秘密兵器”が存在していました。その正体は、可憐な女子大生・北条美智子。

ひろしと美智子はお互いの正体を知らないまま出会い、素性を知らないまま、心の距離が近づいていきます。一方で、対立しあう組織の闘争はますます激化。二人のロミオとジュリエットさながらの恋の行方と、学生運動の行く末を緊張感たっぷりに描いています。

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本作はフィクションではありますが、現実にあった出来事をベースにしており、当時の狂気や熱狂をリアルに描いています。現在、単行本が5巻まで発売されていますが、ひろしと美智子のそれぞれの父親の過去が明らかになり、全共闘への支持が学生たちの間で広がって大学側との全面対決に突入していくところです。年末年始に、何か熱くなれるものを欲しているならぜひ本作を!

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