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巷に溢れる医療情報の中には、高い有効性をうたいながらも実際には効果がないものや、偏っているもの、科学的根拠に欠けたものが混じっていることもあります。今回最終回を迎えることとなりました連載「医者のいらないラジオ」では、覚えておきたい医療情報との付き合い方を、5つのポイントに分けて山田悠史先生に解説いただきました。

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402

 

ポイント1 どんな情報を選ぶかも、自分の健康に影響する


編集:認知症からNMNサプリまで、連載「医者のいらないラジオ」では医療・健康に関する様々なテーマを取り扱ってきました。テーマは変わっても、解説いただいた内容には、繰り返し登場するいくつかの共通点があったと感じています。専門的な知識がない私にとって、正しい医療情報を見分けるのはとても難しいのですが、この連載を通じて、医療・健康ニュースを注意深く読む習慣ができました。

山田:現在のように情報が溢れる時代には、「医療情報をどう選ぶのか」ということが、食生活や運動習慣などと同じく、自身の健康を大きく規定する要因になっている可能性が高いと思います。

編集:間違った情報を信じて、正しい治療や適切な受診の機会を逃してしまう、というお話もよく聞きます。

山田:そうですね。こうした時代だからこそ、医療ニュースを理解する力も非常に大切で、医師としては、「正しい情報をどう得るか、どう見分ければいいか」ということをお伝えするのが非常に大切だと考えています。