撮影終了後、なぜか空っぽになって落ち込みました。おそらく、ヘジュンが自分の中にまだ残っているのだと思います
――ご自身でも忘れられない場面、撮影が難しかったシーンはありますか。
最後の海辺のシーンです。撮影したのは1月か2月のとても寒い日でした。潮の満ち引きが重要な鍵なのですが、満潮になるのは2ヵ月に一回だとプロダクションチームが教えてくれて、とてもプレッシャーになりました(笑)。私が失敗したら2か月待たなければならない。満潮の時に足を取られて2回転んだんですが、監督は「いいね」と喜んでいました(笑)。
また、電話を海に捨てろというシーンがあります。「愛してる」と言わずに愛し合うという設定が観客にどんな風に伝わるか、悩みました。難しいシーンだったのですが……うまくできたと思います。
――この映画にハマって、現実に戻るのが大変でした。パク・ヘイルさんは、『別れる決心』から抜け出すことができましたか。抜け出すことができたのは、どんな瞬間ですか。
俳優はみんな映画を撮ると、撮影現場の記憶から抜け出すためにいろいろ試みるんです。あえてすぐに次の作品に出る人もいますが、私はそういうタイプではありません。エネルギーを全部注ぎ込んだ後は、なぜか空っぽになって落ち込みました。おそらく、ヘジュンが自分の中にまだ残っているのだと思います。
<映画情報>
『別れる決心』
2023年2月17日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
<ストーリー>
男が山頂から転落死した事件を追う刑事へジュンと、被害者の妻ソレは捜査中に出会った。取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、それぞれの胸に言葉にならない感情が沸き上がってくる。いつしかへジュンはソレに惹かれ、彼女もまたへジュンに特別な想いを抱き始める。やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く〝愛の迷路”のはじまりだった……。
監督:パク・チャヌク
脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク
出演:パク・ヘイル、タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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パク・ヘイルさん主演『別れる決心』名場面&カンヌ国際映画祭秘蔵ショット
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取材・文/桑畑優香
構成/露木桃子
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