洋服のプロであるスタイリストの中でも、特に「整理整頓上手」として知られる佐藤佳菜子さん。今回はさまざまなシステムを駆使した、衣替えのテクニックについて教えてもらいます。
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“現代のシステム”はフル活用!
上手に使って、合理的に衣替えを
前回のクローゼット収納法に続いて、今回スタイリストの佐藤佳菜子さんに教えてもらうのは衣替えの方法。“代謝の良いクローゼット”作りのためには、日々の整理整頓方法と同じくらい、衣替えのやり方も重要だと言う佐藤さん。ご自身はなんと、2ヵ月に1回のペースで衣替えをするそう!
「まず考えてみて欲しいのが、お洋服でもなんでも、とにかく何か部屋の中に荷物が置かれているということはそこに家賃が発生している、ということ。平米数で計算したら、まあまあな金額になるはず。洋服の居場所のために、頑張って働いて家賃を払う。そんなの、考えるだけでゾッとしちゃいます(笑)。しかも洋服が“過積載”の状態だと、クローゼットそのものも使いづらい! いろんな意味で、いつでも風通しの良いクローゼットを目指したいと思っています」
クリーニングするものは
「せんたく便」
まさにそろそろ、ひと冬着てくたびれたコートやニットをなんとかしなくては、と思っている人も多いはず。
「クリーニングに出す服は、そのまま来年まで預かってもらえる保管システムを利用します。今ならコートやニット、冬素材のパンツなどですね。私は『せんたく便』というところを利用しています」
「ここに預けるものは真冬に着るすごく暖かい服か、真夏に着るペラペラな服。要は極端な服です。なぜならこのシステムは自由に服の出し入れができず、最初に設定した日にしか帰ってこないから。でもまあ、極端な服であれば、ある程度必要な時期は読めるので全く問題ありません。ここは料金体系もわかりやすく、どんな服でも枚数で価格が決まっているのもすごくいい。ややこしさのない、明朗会計システムです。
それから、往復ともに宅配便方式なのもとてもラク。玄関先で集荷してもらって、設定した日に自宅に届きます。特に冬のコート類など、クリーニング屋さんに持って行くのと、それをピックアップするのだけでもう大変ですよね。思わずタクシーで移動したくなっちゃう(笑)。クリーニング屋さんまでの2往復がないだけでも、ストレスフリーです」
クリーニングの必要がないものや
端境期の服は、
出し入れ自由な「azkel.com」
前述のような“極端な服”以外のもの、あるいはクリーニングに出さないものはどうしているのでしょうか?
「スタイリストという仕事柄、服はもちろん、靴やバッグといった小物類も一般の方よりは数があるので、以前はトランクルームを借りていたこともありました。でも自分でトランクルームまで行って、中から探し出して、持ってくるというのが本当に大変で。しかもだいたい、トランクルームってちょっと不便なところにあったりするじゃないですか。これはもう無理!って」
そんなときに知ったのが、この「azkel.com」だそう。
「ここは何がいいって、いつでも簡単に宅配便のやり取りで出し入れができること! 必要になったらすぐ取り出せるというのがポイントです。預け方のコツは、自分でわかるように段ボールごとに仕分けをしておくこと。例えば、『前期ニット』『後期ニット』『ドレスアップ系』などといった具合。普段使いのワードローブは、同じアイテムでも着る時期によって前後半に分けておくと便利。今は出番が少ないけれど、でもきっとずっと大好きで大切な服というのもありますよね。それも『あまり着ないけれど好きな服』という感じでダンボールに入れて、預けておけばいいのです」
「預けたものは、スマホでこのように画像付きで管理できるのでとてもわかりやすい。取り出したいと思ったら、出先でもどこでも、スマホ上で手続きするだけ。1週間程度で自宅に送られてくるので、例えば例年と比べて今年は寒くなるのが早いとか、そんな急な変化にもすぐに対応できます。
それから大事なことがもう一つ! 例えば冬の初め、本格的なコートの入ったダンボールを取り寄せるとします。そのときには必ず、薄手のジャケットやトレンチなど、今度はそれまで着ていたものを代わりに預けるのがポイント。自宅クローゼットには、同じジャンルで季節の異なるワードローブがダブらないようにするのです。これにより、自宅クローゼットの混雑具合が一定の状態をキープできます。
ちなみに私はヒートテックのような機能性下着やウールのタンクトップなど、季節もののアンダーウェア類も預けます。チェストの中の細々したものでさえも、今使うものだけにしておくのです」
いつでも
“今着られる物しかここにはない”
という状態にしておくのが理想
「とにかく管理不行き届きな物や謎のエリア、見知らぬ服があることがイヤなので、いつだって今いらない服を探しているかも(笑)。さらにシーズンの終わりには今一度ワードローブを見直し。今年着なかったものは着てくださる方に差し上げたり、リユースしていただける場所に送ったり、何らかの形で手放してしまいます。だって、必要になったらまた買えばいいんです。とはいえ、今年一度も着なかったものを、来年以降またどうしても欲しくなることは、多分ないような気がします(笑)」
なぜ、こんなにも潔い管理方法に行き着いたのでしょうか?
「とにかくクローゼットスペースは限られている、ということ。その中で、家族に見られてもいいくらいには整理されていて、毎朝のコーディネートが快適に行える状態にしておきたい。これがすべてです! そのためにはぎゅうぎゅうに服が入っていてはダメだし、必要なものと不必要なものが一緒に並んでいるのも不便極まりない! これってどんな家でも、どんな規模感だったとしても、クローゼットが有限であることに変わりはないはず。その中で使いやすさを追求すると、そのとき稼働している服だけが整然と並んでいるというのが、やはりベストな気がしています」
スタイリスト佐藤佳菜子さんのクローゼット収納法を見る
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構成・文/発田美穂
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