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人的交流が制限されていた、パンデミックの期間。人と対面する機会が減り、孤立したり、孤独を感じた方も多いかもしれません。実は、孤立や孤独にはそれぞれ単独で健康リスクがあることも知られています。「孤独」と「孤立」の違い、健康リスクについて、山田悠史医師に聞きました。

 

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402


山田:私は現在、ニューヨークで、ケガをされた高齢者の診察をしています。日常生活を元気で過ごされていても、突然ケガをされたり、交通事故に遭われてしまうなど、予期せぬ事態が起きることを、日々目の当たりにしています。

編集:突然のケガや交通事故……。他人事ではありませんね。

山田:たとえば、ケガなどで入院された高齢者の場合、体の機能が入院前と同じ状態には戻らないことがあります。そうした場合、やはりご家族のサポートが必要になってきます。ただ、ニューヨークは大家族の方はそう多くなく、特に高齢者では、配偶者と死別されて1人暮らしの方も珍しくありません。

編集:高齢で一人で暮らしの場合、退院された後はどうなるのですか?