「丁寧に生きる」と「中今(なかいま)」の共通点


神道には、「中今」の思想があります。「中今=過去と未来の中間にある今」(※コトバンク参照)という意味で、「今、この瞬間を大切に生きる」ことが大事だと言われています。
私たちは「未来」を不安がったり、「過去」を悔やんだりして、「今」をなおざりにしがちです。“心ここにあらず状態”で、生きている人は意外といます。
そういう人にとっての「今」は、「未来のための今」や「過去をひきずった今」であることが多いのです。

でも、私たちが変えられるのは、「未来」でも「過去」でもなく、「今」だけです。だから、「今」を大切にしなくてはいけません。
さらに言えば、今が幸せであれば、「未来も過去も幸せにする」ことも、結果的にできます。時間と共に、「未来」は「(幸せな)今」に変わり、「(幸せな)今」は「過去」になるからです。

未来ばかりを不安がって、今を生きないのはもったいないこと。たとえば、今、せっかく目の前に素敵なパートナーがいるのに、「未来は、別れているかもしれない」なんて考えながら過ごしたら、せっかくの楽しいひとときが切なくなってしまいます。
仮に未来に別れる運命だとしても、どうせ同じ結果なら、今の幸せは存分に味わったほうがお得ですよね(笑)。

もちろん上手に生きていくには、ある程度、シミュレーション能力は必要ですし、未来を想定して行動する必要はあります。
ただし、同じことをするのでも、「未来の想定ばかりして行う」のと、「今、行っていることにきちんと集中し、楽しむ」のとでは、結果も変わってきます。素敵な過ごし方をすることで、未来を好転させることだってあるのです。
ただただ「未来は不安だ」と思いながら生きていたら、「今」に気持ちを向けていない分、残念な結果になってしまう可能性は高いでしょう。
だから、「中今」を大切に生きる(心を入れた行動をする)ことが重要なのです。

 

頭と心を一致させることが大切!


私たちは意外と「頭」と「心」がズレていることが少なくありません。だから、たとえ物事がうまく回っていても、心はしっくりしていないことがあるのです。そんなときは大概、自己を見失っています。

「集中して、心を入れた行動」をすると、頭と心がピタッと一致することがあります。
たとえば、集中して掃除をしたり、料理を作ったり、しっかり味わってご飯を食べたりすると、心が整って、自分らしさを取り戻していくことがあります。
そういう意味でも、「丁寧に生きる」ことは自分らしく生きるために大切なことなのです。

「丁寧に生きる」ことで幸せになる可能性が高まる理由があります。次のページで紹介します。