時代の潮目を迎えた今、自分ごととして考えたい社会問題について小島慶子さんが取り上げます。

若い女性に「頑張って選挙に出て」とは安易に言えない。「逃げて」とすら言いたい今の日本で、大人の女性ができること【小島慶子】_img0

統一地方選挙です。相変わらず女性の候補者は少ないですね。

ところであなたは、議員になりたいと思ったことはありますか? 政治家なんて、目立ちたがりのやること……と思っているかもしれませんね。誰がやっても同じだし、と。

私の友人知人には、是非とも政治家になって欲しいと思うような活動をしている人がたくさんいます。困っている人を助けたい、世の中の仕組みを変えたいと実際に現場に関わって声を聞き、それをちゃんと議員らに届けて政策決定や法整備に繋げる地道な活動をしている人たちです。人並外れた情熱と明晰な判断力、成熟したコミュニケーション力がなければできないこと。幸いにもそういう人たちとの縁に恵まれて、私は多くを学ぶことができました。

 

その最大の学びの一つが「“議員なんて、誰がやっても同じ”ではない」ということです。課題の現場を知っている人たちに、法律を作る仕事に就いてほしいと心底思います。実際、選挙に出て当選した知人たちもいます。大きな力学の働く場でどれほど志を実現できるのか、当人も歯がゆいことがたくさんあると思いますが、それでも多くの人の支持を得て議席についた責任を全うしようと頑張っています。

「誰がやっても同じ」と思うから多くの人が投票せず、政治は一部の物好きがすることで自分の生活とは関係ないと思うのかもしれません。とりあえず有名人に投票したりね。でも、おそろかにしちゃいけないんですよね。自分の選挙区の候補者リストを見て「ここから選べというんかーい」と叫んだことは私も何度もありますが、それでも最もマシな候補者を選ぶようにしています。