2022年8月から小学生の息子と一緒にカナダのバンクーバー地域へしばらく「親子留学」をすることにした編集者が発信。小学生の子供が留学する場合、大抵の場合は「日本でインターナショナルスクールに通っている」「英検をすでに取得している」など、ある程度英語の下地ができている場合が多いもの。ですが、そうではない「普通の小学生」である我が子と海外に来てみて、いちばん大事だなと感じているのは、実は英語力ではないのです。その理由を紹介します。

 

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どんどん低年齢化する子供の留学

写真:Shutterstock

ここ数年、留学の低年齢化が話題になっています。私の周りだけみても、子供が高校生や大学生になってからではなく、まだ小さいうちに留学させたいという声をよく聞くようになりました。実際に我が家も、子供の性格や将来を考えていくうちに、親子で海外に留学することを決定し、半年前にカナダに引っ越してきました。

では、子供が小さいうちの留学の場合、日本でしっかりと英語を習得させてから実行する必要があるのでしょうか? 保育園や幼稚園くらいの年齢の場合は、必ずしもそうではないかもしれませんが、小学生の場合は、当然かもしれませんが、答えは「YES」。こちらに来てから、それを強く感じています。実際に留学してみると、「子供は日本でインターナショナルスクールに通っていました」「英検○級持っています」「子供が幼い頃からずっと英語に触れさせてきました」という親御さんに会うことはとても多いです。

やはり、子供の留学は、子供をインターに通わせているご家庭、子供のころから熱心に英語教育をしてきたご家庭だけがチャレンジできる狭き門なのでしょうか?
 

英語が流暢でなくても、インター出身でなくても、留学にチャレンジできる

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子供の性格的に海外のほうが伸び伸びと過ごせるのではないかという思いから、実は“英語ができる”状態になる前に留学を決めた我が家。だからこそ、冒頭のように英語の必要性がひしひしと感じていますが、同時に、毎日子供の様子を見てきて、最初は英語が流暢でなくても、インター出身でなくても、留学にチャレンジすることはできるとも思います。

このように書くと、「英語ができないのに子供を海外に連れてくるなんで、子供がかわいそうだ。親の勝手だ」という声も上がるのはごもっとも。留学前に子供が英語を習得していることは、留学にとってプラスにしかなりません。我が子が言いたいことを英語で伝えることができず、困った経験もあったので、この点は私もとてもよく理解できます。

ですが今回はその前提は横に置いておき、子供の留学に興味はありつつも、「日本で英語を習得しなければいつまでも行けないままのか」、「急に行くことを決めることはとても無謀なものなのか」と悩んでいる方に、違う視点での体験を伝えられたらと思っています。我が家はこんな状況でも、カナダに来て心底よかった! と感じているので、留学は限られた人だけの特別なものでなく、ひとつの選択肢として考えることができるものだと言いたいのです。

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「海外留学は高すぎて我が家には無理!」は本当? 日本の私立中学の学費と比較
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