ある日突然BTS(防弾少年団)に“沼落ち”したという小島慶子さん。

K-POPアイドルの枠を超え、全世界を席巻してきたBTS。なぜ彼らはここまで爆発的な人気を得たのでしょうか。BTSがどんなメッセージを発し、世界中の人々の価値観にどのような影響を与えてきたのか。そして、我々ファンはどんなスタンスで今後の活動を見守るべきか? 本連載では小島さんが、様々な立場の“BTSに精通する人々”との対話を通して、『BTS現象』を紐解きます。

今回は、ポリティカル・コレクトネスについてのご著書を持ち、ご自身は在日コリアン2世でもある、社会学者のハン・トンヒョンさんをゲストにお迎えした対談が実現。きっかけは、エトセトラvol.8『アイドル、労働、リップ』に載ったハンさんのエッセイ「矛盾に満ちた『推される人』たちにかかる負荷が少しでも減ることをいつも願っている」を小島さんが読んだこと。「“推し”という言葉に抵抗がある」小島さんが抱えている違和感や葛藤をきっかけに、日韓のアイドル文化の違いや、ファンとアイドルの「正しい」振る舞いを探っていく対談を3回に分けてお届けします。

 

ハン・トンヒョン
1968年東京生まれ。社会学者。日本映画大学教授。専門はネイションとエスニシティ、マイノリティ・マジョリティの関係やアイデンティティ、差別の問題など。韓国エンタメにも造詣が深い。著書に『チマ・チョゴリ制服の民族誌(エスノグラフィ)』、共著に『ポリティカル・コレクトネスからどこへ』、『韓国映画・ドラマ──わたしたちのおしゃべりの記録 2014~2020』、『平成史【完全版】』など。

 


関連記事
「「推しを生け贄にはしたくない」ファンがアイドルを消費しないために考えたいこと 【社会学者・ハン・トンヒョン×小島慶子】」はこちら>>

K-POPファンは日韓の歴史を学ばなきゃダメ?アイドルが持つ希望と使命【社会学者・ハン・トンヒョン×小島慶子】>>